保険適用の総入れ歯


保険の総入れ歯には、入れ歯を固定する特別な維持装置はありません。歯肉等の粘膜に吸着させるように嵌めるので、口腔内を大きく覆う形状になります。

入れ歯の床にはレジンやスルフォンといったプラスチック樹脂しか使えません。プラスチック樹脂は固くて、分厚いため、装着の違和感があります。

食事中や会話中に、外れる場合もあります。安定性が悪いために噛む力が弱く、天然歯の約20~30%の力しかなく、固い物は厳しいです。

樹脂が分厚いため、熱の伝わり方が遅く、熱い食べ物を体感するのにやや時間がかかります。

また、樹脂は臭いが付着しやすく、毎日洗浄しても、長く使っているうちに臭いが沁み込んでしまう場合もあります。

臭いにどうしても抵抗がある方は、定期的に作り直すことをお勧めします。また、臭いや汚れが付着しにくいタイプの保険外の総入れ歯に変えるという方法もあります。

 

保険の総入れ歯の費用は、上顎、下顎どちらか一方で、約1万円です。

シンプルなデザインなので、安価に作ることができます。修理もしやすいメリットがあります。

保険外だと、様々なタイプによって価格差はありますが、どれも高額になります。高額な分、装着の違和感が軽減されたり、審美性が優れていたりという特性があります。

すべての歯を失っている状態というのは、総入れ歯の土台となる歯肉も骨も弱い場合が多いのですが、殆どの症例に対して、保険の総入れ歯は使用可能です。

但し、歯肉や骨がさらに弱って痩せてくると、口腔内の形が変化し、作った総入れ歯が合わなくなる場合があります。そうすると、新しく作り直す必要があります。

だから、いきなり高額の保険外で作製するのはリスクがあると考える方もおられます。

とりあえず、最初は安価な保険内で試してみて、口腔内の変化も確かめながら、気に入らなければ保険外を、という考え方もあります。


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