予防歯科で口臭対策

  1. はじめに
  2. 「口臭」って?
  3. 生理的口臭って?
  4. 病的口臭って?
  5. 口臭と予防歯科
  6. まとめ

はじめに

皆さんは、口臭に気を使っていますか。日常生活を送るなかで、自分自身の口臭が気になるという方、あるいは他人の口臭が気になる方もいると思います。

口臭は自身では気づきにくいため放置されることも多く、また他人に対して指摘するのも非常に気を使います。今回は、そのような不快な口臭について解説します。本記事で口臭に対する理解が深まり、歯科受診のきっかけになれば幸いです。

口臭

「口臭」って?

人間の口臭には「生理的口臭」と「病的口臭」の2つがあります。

「生理的口臭」は誰にでもある口臭です。起床時や緊張時に強まる口臭です。これらは、口腔内の細菌が一過性に増殖し、口臭の原因となる揮発性硫黄化合物(VSC:Volatile Sulfur Compounds)が大量に産生された結果として生じるものです。

口臭の原因となるVSCは
①硫化水素
②メチルメルカプタン
③ジメチルサルファイド
の3種類が主成分です。

それぞれ、硫化水素は卵が腐ったような臭い、メチルメルカプタンは魚が腐ったような臭い、ジメチルサルファイドは生ごみのような臭いが特徴的とされています。生理的口臭ではこの3つのうち、硫化水素がより多く産生され、口臭が生じるとされます。

一方、「病的口臭」は口腔内または全身疾患の症状として、口臭が生じます。原因となる疾患は口腔内の疾患だけでなく、糖尿病や肝臓疾患、副鼻腔炎などの耳鼻科的疾患など様々です。ただし、病的口臭のほとんどは歯科領域に問題があります。病的口臭の場合は腐敗臭でメチルメルカプタンやジメチルサルファイドが割合として多くなるという特徴があります。

このように口臭には「生理的口臭」と「病的口臭」の2つの種類があり、VSCの異常な産生が原因です。

口臭の原因と種類について

生理的口臭って?

口臭の1つである生理的口臭は誰にでもある口臭です。唾液の分泌が少なくなる起床時、空腹時、緊張時に強くなる傾向があります。唾液が減少することで、細菌が増殖し、VSCのうち硫化水素が大量に作られ、口臭が発せられます。また、女性の場合、生理周期により、ホルモンバランスが崩れることでも生じます。

多くの場合、食事の摂取や歯磨きにより細菌が減少したり、水分の摂取により唾液の分泌量が増加したりすると口臭を感じなくなる場合がほとんどです。
生理的口臭の原因となる硫化水素は人体にとって有毒ガスの一つです。口腔内から発せられるこのガスは大変微量のため、中毒症状が生じたり、死に至ったりすることはありませんが、近年の研究で、血管内に取り込まれ、様々な悪影響を及ぼすことが明らかになっています。

生理的口臭の原因となるのは、「舌苔」とされています。舌苔は、文字通り、舌に付着している苔(汚れ)です。この舌苔は、細胞の死骸、免疫細胞、細菌などによって構成されます。舌苔が付着しやすい原因は、唾液の分泌量の減少、舌の運動能の低下、口腔内の清掃不良です。

生理的口臭は基本的には治療対象にはなりません。しかし、口腔内を清潔にすることが最も効果的な口臭予防法です。定期的な歯科受診により口腔内を清潔に保つことやホームケアを十分に行うことで十分に予防および対応可能です。中でも舌磨きにより、舌苔を除去することで口臭の改善・予防が期待できます。

歯のクリーニング

病的口臭って?

口腔内あるいは全身疾患の症状によって生じる病的口臭は、そのほとんどが口腔内に原因があると言われています。その中でも、歯周炎が強い口臭の原因です。

歯周炎は、歯ぐきの歯周ポケットに原因菌が住み着き、炎症を起こす病気です。歯周ポケット内のタンパク質を原因菌が分解する時にメチルメルカプタンを大量に産生し、歯周炎特有の生ごみのような腐敗臭を発します。原因菌の棲み処となる歯石は、プラークが非常につきやすくなり、口腔内の衛生状態はどんどん悪くなるという悪循環を及ぼします。

こうなると日常のホームケアではきれいにすることが困難です。歯科クリニックで専用の器具を用いて歯ぐきの中に入りこんだ原因菌やそれらが固まってできた歯石を除去しなければ改善は難しくなります。

また虫歯になりかけている歯は病的なくぼみがある状態です。そこにプラークや汚れが付着してしまうと歯ブラシが届きにくくなるため、細菌が繁殖し、歯周炎同様に悪循環を繰り返します。

これらの予防には最低でも半年に1回は歯科クリニックを受診し、ホームケアでは除去が困難な歯石を取ること、歯周炎の治療と虫歯はないかを確認したり、もしあった時には早期に治療したりすること、病的口臭には歯周疾患の処置が最も効果的です。

しかし、最も重要なことは、歯周病の原因菌が住み着きにくいような環境を作ることです。日々のホームケアは、歯磨きだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシによる歯と歯の間の汚れも十分に落とし、歯周炎や虫歯が生じないようにすることが口臭予防に最も有効です。

病的口臭には歯周炎や虫歯だけではなく、全身疾患が原因となる特有の口臭もあります。例えば、糖尿病ではアセトン臭という独特の甘い匂いがしたり、副鼻腔炎によって生じた膿から発せられたりする口臭などです。これらも原因となる疾患の治療を行うことで口臭を抑えることができます。

このように病的口臭は、口腔内に原因があるものと全身疾患によるものがありますが、口腔内に原因があるものがほとんどです。歯周病や虫歯の予防処置・治療を行うことで、口臭を予防・治療することが可能です。

口臭と虫歯や歯周病の関係

口臭と予防歯科

こまでで口臭の種類・原因が分かったと思います。最後に予防歯科との関係について理解を深めましょう。

病的口臭の原因のほとんどは口腔内の疾患が原因とお話ししました。つまり、歯科疾患を予防すれば、口臭を予防することもできます。歯周炎は日々のセルフケアや歯科の定期検診を受診することで、歯周病の発症や重症化を予防することができます。そして口臭を予防することに繋がります。

また、虫歯を予防することも汚れが付着しにくい状態を作ることができ、結果的に口臭の予防につながります。この他にも虫歯治療として詰め物や被せ物をした中の歯が虫歯になっていないかレントゲンで確認することも重要です。

歯科クリニックを定期的に受診することで、口臭の原因となる歯科疾患の予防ができるだけでなく、早期発見・早期治療が可能になります。また、歯科衛生士による歯磨き指導により、ホームケアでの歯科疾患予防や口臭予防をより効果的に行うことが可能となります。

虫歯と口臭の関係

歯周病と口臭

まとめ

歯科クリニックの定期受診や予防歯科には、口腔内の病気予防だけでなく、口臭や全身疾患の発見のきっかけになるなど利点がたくさんあります。
口臭予防のためにも予防歯科を受診してみてはいかがでしょうか。

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