インプラント

インプラントとは

インプラントとは歯を失った場合の治療方法の一つです。 1952年にスウェーデンのブローネマルク博士が、チタンと骨が結合する「オッセオインテグレーション(骨結合)」を偶然発見したことから実験を重ね、歯科治療に応用したものです。そのため、入れ歯やブリッジと比較すると歴史が浅い治療法と言えます。

インプラントのメリットとデメリット

インプラントのメリット

  • 自分の歯と同じような感覚でものを噛むことができ、食べ物の味や感触がよくわかる
  • ブリッジのように、健康な歯を削らないで治療できる
  • 自然な見た目に回復できる
  • 発音に支障をきたすことが少ない
  • 入れ歯と違って違和感が少ない
  • 長期間安定したかみ合わせを維持できる
  • しっかりしたメンテナンスにより、長期間の使用が可能
  • 治療期間が短いケースもある。(即時荷重・早期荷重)

インプラントのデメリット

  • 外科的手術が必要
  • 治療期間が長い(ただし、治療回数は他の治療とさほど変わりがない)
  • 保険が適用されないため治療費が高額になる
  • 骨の吸収が大きい場合など、適用とならない場合がある。(骨移植を行う場合がある⇒要相談)
  • 骨粗鬆症や自己免疫疾患など全身的な状態(重度の糖尿病・心臓疾患・脳疾患・悪性腫瘍などの全身疾患の方、コントロールされていない循環器疾患・精神疾患の方、医師とのコミュニケーションが取れない方、非協力的な方、口腔内の衛生状態の改善がみられない方)などに適用にならない場合がある
  • 上部構造(人工歯)に、トラブル(小さな破折・ネジのゆるみ等)が生じることがある
  • 上部構造(人工歯)の清掃が難しいことがある
インプラント治療のメリット・デメリット について

インプラントの構造

インプラントは骨に埋め込むインプラント体、インプラント体に装着するアバットメント、そしてかぶせ物である上部構造の3つのパーツからなります。 アバットメントはスクリュー(ネジ)で締め付けて固定しますが、上部構造はスクリューで固定するタイプセメントで固定するタイプの2種類があります。上部構造の固定方法にもメリットとデメリットがあります。
メリット
スクリュー固定 ・セメントの流出がなく、インプラント周囲炎のリスクが少ない
セメント固定 ・審美的に優れている ・インプラント体の埋め込み方向が理想的でなくても対応ができる
 
デメリット
スクリュー固定 ・上部構造に穴が空いているので、審美的に劣る ・インプラント体の埋め込み方向が限りなく限定される
セメント固定 ・セメントの流出によりインプラント周囲炎のリスクが高まる ・仮着け用のセメントを用いる場合、上部構造が外れることがある

インプラント治療の流れ

    • 01
      診査・問診
      歯を失った原因や治療方法についてのご希望を伺います。その上で検査を行います。 検査は残っている歯の状態、顎関節、かみ合わせ、口腔内写真撮影、型採り、レントゲン撮影、CT撮影と項目が多くなっています。
    • 02
      治療方針の説明
      検査結果よりインプラント治療の可否、治療方針、おおよその治療期間、費用についてご説明いたします。 歯を失った場合の治療方法はインプラント以外にもありますので、その他の方法で治療した場合との比較もお示しします。
    • 03
      前処置
      インプラント治療に先立って必要な治療があれば、インプラント手術の前に行います。
    • 04
      オペ前クリーニング
      感染によるインプラント手術の失敗を避けるため、クリーニングによりバイオフィルムの除去を行います。
    • 05
      1次手術
      インプラント体の埋め込みや骨を足す手術を行います。 外科処置のため、術後に腫れや痛みを伴うことがあります。1週間程度は安静にお過ごしください。
  • 06
    2次手術
    インプラントが骨と結合するまで待ちます。下顎では2〜3ヶ月、上顎では3〜4ヶ月、骨を足す手術をした場合は6ヶ月程度が目安となります。レントゲン写真で結合状態を確認し、問題がなければ2次手術を行います。 1次手術はインプラント治療の柱を入れる手術ですが、2次手術は上部構造を作るための前準備としての手術になります。状態に応じて手術の種類が異なりますが、歯ぐきの移植が必要になるケースもあります。
  • 07
    仮歯製作
    2次手術後に歯ぐきの状態が落ち着いたら、型採りをし、仮の歯を作ります。 上部構造を美しく、そして機能的に仕上げるためには仮歯の調整が大変重要です。インプラント周りの歯ぐきの形はアバットメントにより支えられていますが、その形は仮歯により調整していきます。また、歯ブラシのしやすさや汚れの溜まりにくさといったこともこの時点でチェックします。
  • 08
    上部構造製作
    仮歯の調整が完了したら、いよいよ上部構造を製作します。型採りのパーツをインプラントごとにカスタムで仕上げることで仮歯の形を正確に技工士に伝えることが可能になります。
  • 09
    完成
    完成してきた上部構造の色・形・かみ合わせをチェックし、問題なければ装着します。 当院では審美的に大きな問題が生じるケース以外、インプラント周囲炎のリスク軽減のため、スクリュー固定で対応しています。

当院のインプラント治療について

インプラント治療についての説明動画を用意いたしましたので、ぜひご覧ください。

正確にインプラント体を埋め込むために

理想的な上部構造を作るためにはインプラント体を埋め込む位置や深さ、インプラント体の種類の選択が重要です。 そこで、当院では撮影したCTデータと作りたい歯の形のデータを趣味レーションソフト上で融合させ、その上でインプラント治療の計画を立てます。かつてインプラント手術は経験と術者のスキルのみで行っていたため、CT画像上で計画を立てても、計画通りにインプラント体が埋め込まれないケースがありました。 しかし、現在ではシミュレーションした位置にインプラント体を埋め込むためのサージカルガイドを作ることができますので、正確に、そして安全にインプラント手術をすることが可能となりました。

骨が足りない場合 〜骨造成〜

インプラント体は骨の中に埋め込まなければなりませんが、その骨が不足している時の対応方法が骨造成法になります。 ご自身の骨を他の部分から採取することもありますが、身体的負担が大きいため、通常人工の骨を使用します。そのままではインプラント治療ができないケースでも、骨造成が可能になるとインプラント治療が行えるようになるため、大変有効な方法と言えます。 ただし、骨を作るためには時間がかかります。造成する骨の量にもよりますが、通常手術から6ヶ月間は骨が作られるのを待ちます。元々の骨が少なくても、インプラント体を最低限支えるだけの骨が存在する場合、インプラント体の埋め込みと同時に骨造成を行います。 しかし、あまりにも骨が少なく、インプラント体を埋め込むことができない場合では、あらかじめ骨造成を行い、その後インプラント体の埋め込み手術を行います。

骨造成の種類について

GBR(Guided Bone Regeneration)

抜歯した部位は歯を支えていた骨が徐々に失われてしまい、骨が細くなってしまいます。その細くなった骨を再建する方法です。

サイナスリフト

上顎の奥歯で骨の厚みが薄くなってしまった場合の骨造成法になります。 服鼻腔の一つである上顎洞の底を持ち上げ、人工の骨を入れ込み、その部分に骨を作ります。

総入れ歯とインプラントの比較

総入れ歯とは全ての歯を失った場合に装着する入れ歯のことです。 総入れ歯とインプラントを比較した時の総入れ歯のメリットとデメリットについてまとめます。(インプラント治療のメリット・デメリットは前項を参照ください)

メリット

  • 取り外しできるため清掃が簡単
  • 一般歯科で治療ができる
  • 素材によっては健康保険が適応となる
  • 口元の張りを回復できる

デメリット

  • 口の中の粘膜を覆うため異物感がある
  • 天然の歯のように強い力で噛むことが難しい
  • 上の入れ歯は外れやすく、下の入れ歯は動きやすく生活に支障をきたす場合がある
  • 痛みが出やすく、壊れやすい
  • 発音しづらく、味覚・温度感覚が阻害される

部分入れ歯とインプラントの比較

部分入れ歯とは、歯は残っていますが、多数の歯を失った(ブリッジでは治療できない)場合に装着する取り外し式の入れ歯です。 部分入れ歯とインプラントを比較した時の部分入れ歯のメリットとデメリットについてまとめます。(インプラント治療のメリット・デメリットは前項を参照ください)

メリット

  • 取り外しできるため清掃が簡単
  • 一般歯科で治療ができる
  • 素材によっては健康保険が適応となる

デメリット

  • 口の中の粘膜を覆うため異物感がある
  • 天然の歯のように強い力で噛むことが難しい
  • 部分入れ歯が口の中で動きやすく生活に支障をきたす場合がある
  • 痛みが出やすく、壊れやすい
  • 発音しづらく、味覚・温度感覚が阻害される
  • 部分入れ歯を固定するため、部分的に歯を削る必要がある。
  • 残っている歯にバネをかけるため汚れがたまりやすくなる。

インプラントの費用(税込)

費用
検査診断料※1 ¥55,000
1次手術(インプラント体埋入) ¥165,000/本
2次手術※2 ¥22,000/本
仮歯代 ¥55,000/本
上部構造物 ジルコニアステイン 187,000円/本
ジルコニアボンド 242,000円/本
インプラント義歯用アタッチメント ¥110,000/本
骨造成(人工骨代を含む※3) GBR ¥110,000/本
サイナスリフト ¥220,000/片顎
ソケットリフト ¥110,000/本
チタンメッシュ ¥55,000
歯肉移植※4 ¥110,000
サージカルガイド※5 ¥55,000/本
静脈内鎮静法 ¥77,000

インプラント ベーシックプラン

費用
診断料 55,000円
埋入料 165,000円
上部構造物 ジルコニアステイン 187,000円/本
合計 407,000円
※1 インプラント治療を行わない場合でも検査診断料のご返金は致しかねます。 ※2 1次手術が1回法で完了した場合、2次手術の費用はかかりません。 ※3 使用する人工骨の量が増えても費用に変更はありません。 ※4 人工材料を使用する場合は材料代(¥55,000)が加算されます。 ※5 2本以上同時に手術する場合、2本目以降¥11,000/本が加算されます。 ※6 検査診断料・1次手術・上部構造物は必須項目になります。それ以外の項目は症例により異なります。 ※7 インプラント体は10年間、上部構造物は5年間保証いたします。

All-on-4 (6)の料金

上部構造物の種類 保証 費用
オールオン4 アクリリック なし 2,200,000円
セラミック 5年 3,850,000円
オールオン6 アクリリック なし 3,300,000円
セラミック 5年 4,950,000円
 
※手術代と上部構造物代を含みますが、骨造成や残っている歯への処置料は含まれません。

インプラントの保証

当院では安心してインプラント治療をご選択いただけるよう保証期間を設けてあります。 上部構造は5年、インプラント体は10年間保証とさせていただきます。 インプラント治療を成功させるための鍵はセルフケアとプロフェッショナルケアをしっかりと行うことです。そのため、当院では3〜6ヶ月に一度の定期検診にご来院いただくことが保証の条件となります。

インプラント 症例

ケース1

年齢・性別 64歳・男性
主 訴 虫歯が深く保存不可のため、インプラント治療を検討
治療部位 右下5番6番
治療期間 8~9ヶ月
治療費 インプラント埋入:165,000円×2
GBR:110,000円×2
FGG:110,000円
インプラントTEK(仮歯):55,000円インプラント×2
上部構造(ジルコニアステインクラウン):165,000円×2
サージカルガイド:66,000円
合計:1,166,000円
(2021年11月現在)
治療内容 右下5番6番
インプラント埋入、GBR、FGG、インプラントTEK、インプラント上部構造(ジルコニアステインクラウン)、サージカルガイド
治療の
リスク
術後腫れる、痛む可能性がある。インプラント自体は虫歯にはならないが、歯周病になる可能性がある。
インプラントと骨が結合しない場合がある。
FGG 出血が止まりにくいことがあります。移植した歯肉が生着しないことがあります。
治療方針 虫歯が進行し保存不可になった歯を抜歯し、傷の治りを待ってインプラント治療を行いました。
インプラントを埋入するのに必要な骨の厚みを得るため、骨の造成も行いました。
特記事項 骨造成を行ったので、インプラント体が結合するのに時間がかかりました。
その間は他の虫歯治療を並行し進め、クリーニングを定期的に行うことで清潔な状態をキープしました。
メンテナンス担当者所見 治療後、快適に長持ちさせるために定期的なメンテナンスの必要性と、患者さま自身による毎日の正しい口内清掃の重要性を御理解いただきました。

インプラント 症例

ケース2

年齢・性別 54歳・女性
主 訴 被せ物が合わないのでやりかえたい
治療部位 右下6番
治療期間 6ヶ月
治療費 インプラント審査診断:55,000円
インプラント体埋入:165,000円
上部構造(ジルコニアステインクラウン):165,000円
合計385,000円
(2023年7月現在)
治療内容 右下5番6番
インプラント埋入、GBR、FGG、インプラントTEK、インプラント上部構造(ジルコニアステインクラウン)、サージカルガイド
治療の
リスク
天然の歯と比較すると歯ぐきのトラブルが生じやすい
天然歯の歯ぐきには細菌の侵入を防ぐための線維のバリアが存在していますが、インプラントには線維のバリアが存在しません。
そのため、インプラント周りの歯ぐきや骨は細菌感染を起こしやすいと言えます。
しっかりとしたメンテナンスをしないとインプラント周囲炎になり、最悪の場合はインプラントを撤去する必要が生じます。
治療方針 初診時に右下6番は、歯の根が割れているので保存不可と診断しました。その後右下6番は抜歯を行いました。抜歯後しばらく欠損の状態でしたが、右上6番の挺出(※1)が認められた為、インプラント治療を行うことになりました。
骨造成は行わずに埋入手術を行いました。埋入手術から3ヶ月後に上部構造の型どりを行いました。そして手術から5ヶ月程で上部構造の装着をしました。
骨造成を行わないことで外科手術が最小限に抑えられ、治療期間を短く終えることができました。
※1:挺出
かみ合う歯がなかったり、隣の歯がなかったりする事が原因で、歯が本来あるべき場所から突出してしまったり、移動してしまう事
特記事項 抜歯後しばらく時間が空いていたので、骨と歯ぐきが失われ、抜いた場所は歯ぐきが凹んだ状態になります。
本来であれば骨造成(GBR)を行い、失われた骨を再建した方が、歯ブラシがしやすい歯ぐきとなりセルフケアがしやすくなります。
メンテナンス担当者所見 天然歯と比較して、インプラントの上部構造は根元の部分に汚れが溜まりやすい構造となっています。
また、今回骨造成を行わなかったので、通常よりも歯ぐきが凹んだ状態になり、汚れが溜まりやすくなっています。
そこでセルケアではルシェロ歯ブラシI20の使用を提案しました。インプラントと隣在歯の間は、歯間ブラシを使用してケアを行っています。

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