親知らずが痛む4大原因
親知らずは第2大臼歯(別名12歳臼歯、前から数えて7番目の歯)の後ろに位置する歯で、智歯とも呼ばれます。
20歳前後から生えることもあれば、40歳過ぎに生える方もいますが、何かとトラブルになることがあります。
そんなトラブルについて、その原因と対処法をまとめました。
親知らずが生えてくる
親知らずが歯ぐきを突き破って生えてきたり、隣の歯を押し動かすことで痛みが出ることがあります。
歯並びに悪影響が出ることがありますので、抜歯することをお勧めします。
親知らずが虫歯になった
親知らずの生える位置や方向が原因で、歯磨きができないことがあります。
歯磨きが不十分であれば、虫歯になってしまいます。
手前の歯(第2大臼歯)にまで虫歯が進行する前に治療することをお勧めします。
親知らず周りの歯ぐきが腫れた
生えたての親知らずは、見えている部分が少なく、歯磨きが難しく、歯ぐき周りに汚れが残ります。
そうすると、バイ菌が歯ぐきの中に入り込んで歯ぐきが腫れることがあります。
親知らずで歯ぐきを噛む
上下いずれかの親知らずが生えた場合、グングンと伸びて、歯ぐきを噛むことがあります。
お口の開け閉めや食事に支障が出る場合には抜歯することをお勧めします。
自宅でできる、親知らずが痛んだ時の対処法
痛み止めを飲む
市販の痛み止めを飲みましょう。
歯医者に行く前に痛み止めは飲まないほうがいいんじゃないか?と思われる方もいらっしゃるようですが、痛み止めを飲んだ状態でも診断することは可能です。
まずはその苦しさを少しでも和らげましょう。
ただし、用量・用法を守りましょう。
小さな歯ブラシで親知らず周りを磨く
磨き残しにより歯ぐきが腫れる場合がほとんどです。
親知らずの周りはスペースが少なく、普通の歯ブラシでは歯磨きができません。
ヘッドの小さな歯ブラシを使って、親知らずをキレイにしましょう。
洗口液を使う
勢いよく、グチュグチュと洗口するのではなく、顔を痛みのある側に傾けて、洗口液を溜めて、静かに洗い流すようなイメージで洗口をしましょう。
洗口液の薬効に期待するのではなく、汚れを洗い流すことが主な目的です。
アルコール成分が入っている洗口液は味が辛く、口の中がピリピリするため、長時間洗口することができません。
市販のものでしたら、「低刺激」や「ノンアルコール」の製品をいいでしょう。
濡れタオルで冷やす
歯ぐきが腫れると熱を持つので、頬が熱くなります。冷やしたくなりますよね。
でも、氷でキンキンに冷やすことは止めましょう。血流が悪くなりすぎて、痛みが持続したり、しこりができることがあります。
濡らしたタオルをしぼり冷やすことをお勧めします。
冷えピタで冷やすのは?とよく聞かれます。個人差もありますが、しこりが出る方もいるためあまりお勧めはしていません。
親知らずの治療法
抜く
道具が届かない、満足な治療ができない、残しても悪影響を出すといった理由から抜歯を提案することが多いです。
ただ、かみ合わせに役立っていたり、治療が可能であれば、「残す価値あり!」と判断して、しっかりと治療をしていきます。
「親知らずだから抜く」のではなく、どの歯であっても、メリットとデメリットを考えた上で治療方法は決めていきましょう。
腫れを引かせる
歯ぐきが腫れている場合、歯ぐきの中の洗浄と抗生物質の軟膏の注入をし、抗生物質を処方することで、腫れを引かせます。
ただ、腫れを繰り返すようであれば、手前の歯への悪影響が大きくなりますので、抜歯をお勧めします。
抜かずに治療する
残した方がメリットが大きい場合には抜かずに治療をします。
今回と同じトラブルが起こらないよう、原因をしっかりと取り除くことで親知らずであっても長持ちさせることは可能です。
担当の先生とよく相談しましょう。
親知らずを抜いた後の対処法
グチュグチュうがいは避ける
歯を抜くと、穴にかさぶたができて、徐々に治っていきます。
勢いよくうがいをすると、そのかさぶたが取れてしまうことがあります。
かさぶたがなくなると、顎の骨がむき出しになってしまい、痛みが続くことになります。
喫煙は傷の治りを悪くする
喫煙者も自覚している方が多いですが、タバコは健康によくありません。
その煙は言わば毒ガスと同じです。毒ガスが傷にさらされれば、傷が治りにくいのは当然です。
また、タバコは毛細血管をキュッと細くするので、傷を治すための栄養が届きにくくなります。
氷では冷やさない
親知らずが腫れた時と同じですが、氷でキンキンに冷やすと血流不足になり、傷口の治りが遅くなったり、腫れの部分にしこりが残ったりします。
どうしても氷で冷やしたいならば、抜歯後24時間以内にしましょう。
それ以降は濡れタオルで冷やす程度にしましょう。
冷えピタも避けた方が無難です。以前、傷の治りが悪い方がいましたが、よく聞いてみると冷えピタを使っていたという方がいらっしゃいました。
まずは安静に
血流がよくなることは避けましょう。
飲酒、激しい運動、長湯が代表的なことです。
血のめぐりがよくなると、傷口から血が出ることがあります。
親知らずの抜き方や程度により差はありますが、3日から1週間程度は安静にしていた方がいいでしょう。
薬はしっかり飲みきる
通常、抜歯後には抗生物質と痛み止めが処方されます。
痛み止めは頓服薬なので、痛い時に服用しましょう。
抗生物質は痛みの有無、腫れの有無にかかわらず、しっかりの飲みきりましょう。
自己判断を中途半端に飲むと、耐性菌が発生しやすく、次からその薬が効かなくなってしまいます。
下痢などの副作用が出た場合には歯科医師に相談してください。
ゴシゴシ磨かない・触らない
抜いた周りは優しく磨きましょう。縫ってある糸に歯ブラシが引っかかったり、かさぶたが取れてしまうことがあります。
傷が落ち着くまでは洗口液で汚れを洗い流す程度にとどめておいた方がいいでしょう。
ただし、歯を抜いた部分以外は通常通り歯磨きをしましょう。
糸が気になるなぁ〜と思っても触らないようにしましょう。糸が取れて、傷が開いてしまうことがあります。気になる場合は担当医に相談をしましょう。
まとめ
親知らずの抜歯というと、痛い・腫れる・大変といいものはありません。トラブルになっても、「自然に治る」と信じたい気持ちもわかります。
ただ、放置してもいいことはありません。症状は消えても、完治しているわけではありません。まずは勇気を持って歯医者さんにいきましょう。
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