様々なものが考えられますが、現在のところ、根本的な原因については不明な点が多く、詳しいメカニズムは分かっていません。
以前は、歯のかみ合わせの悪さから、歯ぎしりが引き起こされるのではないか、と言われていました。
実際に、かみ合わせの異常や、あごの変位、また歯科治療で入れたクラウン(かぶせ物)の高さが合っていない、
などといった不適切な治療が原因で、歯ぎしりが悪化することがあります。
ですが、そのようなかみ合わせの問題から歯ぎしりが起こる例は少なく、
最近では、かみ合わせが直接もたらす影響は少ないということが分かってきました。
他の原因としては、くせ・習慣性や肉体的・精神的なストレス、遺伝、飲酒・喫煙との関連などが指摘されています。
特に、睡眠中に歯ぎしりをしている時は、脳に刺激が与えられ、一時的に交感歯の神経が活発になっていることが分かっており、
ストレスを解消するために歯ぎしりをしているのではないか、という説が有力です。
また、アルコールやタバコ、カフェインを摂取しすぎると、歯ぎしりが多くなることも知られています。
抗うつ薬などの副作用で歯ぎしりが悪化することがあるので、服用されている人は注意しましょう。
最近では、逆流性食道炎と歯ぎしりの関連性も指摘されています。
逆流性食道炎は胃酸が逆流してしまう病気なのですが、胃酸を中和するために、
歯ぎしりを起こして唾液を分泌しているのではないかと見られています。
その他の例としては、小児期の子供にも歯ぎしりは見られます。
主に、歯が生え始めたばかりの時期や、乳歯と永久歯との入れ替え時期に歯ぎしりが起こることがあります。
子供の歯ぎしりは、あごや歯が本来収まる位置を決めるために起こっていると考えられています。
子供の場合は、成長とともに歯ぎしりがなくなることがほとんどなので、
あまり心配しすぎる必要はありません。