大きく分けるとマウスピースなどを使った対症療法の他、かみあわせ治療や、矯正治療、薬物療法などがあります。
最も代表的なのが、ナイトガードと呼ばれるマウスピースを使う方法です。
寝ている間にナイトガードを装着すると、歯ぎしりによる衝撃を和らげ、歯がすり減ったり、
割れたりするのを防止することができます。
また、ナイトガードには、あごの骨の骨折を防いだり、あご関節への負担や、脳への衝撃を軽減する役割もあります。
歯ぎしりによる騒音もなくなり、周囲で寝ている人にも迷惑がかからないので、
手軽にできる対策としては、かなり効果が高い方法と言えるでしょう。
ただし、いびきの習慣や、睡眠時無呼吸症候群の人が使用すると、いびきが悪化したり、
睡眠中の呼吸停止・呼吸低下の回数が増加することがあるので、注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群は、スリープスプリントと呼ばれる
いびき防止用の器具で、歯ぎしりと同時に治療していくことができるので、
心当たりのある人は歯科医等に相談するようにしましょう。
根本的に歯ぎしりを改善する方法としては、すり減った歯や、
バランスの崩れたかみ合わせを、元に戻すことで歯ぎしりを治す
「かみあわせ治療」や、「矯正治療」などの治療法も、非常に有効です。
筋弛緩薬や降圧剤などを使って、睡眠中の歯ぎしりを減少させる
薬物治療もありますが、眠気・ふらつきなどの副作用を伴う危険性もあり、
日本ではあまり行われていません。
アメリカを始めとした欧米諸国では、ボツリヌス菌による歯ぎしり治療も行われています。
あごの筋肉にボツリヌス菌を注射することで、筋肉の緊張を和らげ、数ヶ月間ほど歯ぎしりを抑えることができるそうです。