口臭と虫歯や
歯周病の関係

  1. はじめに
  2. 口臭の原因
  3. 虫歯が口臭の原因になる理由
  4. 虫歯が原因の口臭の対策
  5. 歯周病が口臭の原因になる理由
  6. 歯周病による口臭の特徴
  7. 歯周病が原因の口臭の対策
  8. まとめ

はじめに

「口臭が気になる」と感じていても、口臭の問題は周囲にも聞きづらい、とてもデリケートな問題です。 口臭には様々な原因があります。
今回は、その中でもお口の中の二大疾患である「虫歯」と「歯周病」との関係について詳しく解説します。
口臭の原因を知って、口臭の予防と対策をしていきましょう。

口臭

口臭の原因

口臭の原因は様々で、お口の中の疾患が原因となるものから、全身的な疾患が関係しているものまであります。
口臭の原因といわれているものは、大きく分けて次の4つに分けられます。

  • お口の中の問題によるもの
  • 全身の病気によるもの
  • 食べ物によるもの
  • 生理的口臭

それぞれについては以下のとおりです。

お口の中の問題が原因の口臭

お口の中の問題が原因とされる口臭には、「虫歯」「歯周病」によるもの、また「歯垢」「舌苔(ぜったい)」などお口の中の汚れによるものが挙げられます。
丁寧に歯磨きをしているつもりでも、口臭が気になるという場合には「虫歯」や「歯周病」が原因になっているかもしれません。

また、「口腔乾燥症」などお口の中が乾燥しやすい場合、お口の中の細菌が繁殖しやすくなり、口臭が発生することがあります。

全身の病気が原因の口臭

口の中が原因ではなく、全身の病気が原因となっている口臭も多くあります。
代表的なものでは、耳鼻咽喉系・呼吸器系・消化器系の病気、糖尿病、肝硬変・肝臓癌、トリメチルアミン尿症などが挙げられます。

耳鼻咽喉系・呼吸器系・消化器系に問題がある場合には、タンパク質の壊疽臭が発生します。
糖尿病の場合はアセトン臭、肝硬変・肝臓癌の場合はアンモニア臭、トリメチルアミン尿症の場合は魚臭が発生します。

口臭が気になることがきっかけで、検診などを受け大病を早期発見できるケースもあるでしょう。
まずは歯科医院でチェックをしてもらい、問題を改善しても口臭が気になる場合には、全身の病気が原因になっている可能性も視野に入れて、気になる箇所の検診や通院をしても良いかもしれません。
生理的口臭など、問題のないケースも多いので、自己判断をしないように注意しましょう。

食べ物が原因の口臭

飲食した食べ物が口臭の原因になっていることもあります。
代表的なものでは、ニンニク・ニラ・ネギ類が挙げられます。
これらは「アリシン」という成分が臭いの元になっています。
また、ニンニクや生のタマネギには硫黄が含まれており、これらを体内で分解すると硫黄ガスが発生します。
この硫黄ガスは吸収され、肺に到達してから臭い息として排出されます。
卵や乳製品にも多くの硫黄が含まれており、これらを過剰に摂取すると臭いの元となります。

他にも、脂っこい肉、キャベツや小松菜、ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜、そして納豆も臭いの原因となり得ます。

生理的口臭

生理的口臭は、病的な原因があるわけではなく、誰でも生理的に発生することがある口臭です。起床時や空腹時、女性の場合は生理中やその前後に口臭が強く発生しやすくなります。

毎日食事をして、口の中では様々な代謝が行われているので、誰でも無臭ということはありません。
口臭が気になるあまり、強い口臭が無いのに口臭があるように感じるという心因性の「自臭症」という病気もあります。

デリケートな問題ではありますが、あまり気になる場合には、口臭チェッカーなどを使って客観的に臭いを判断するのも良いでしょう。

虫歯が口臭の原因になる理由

虫歯が口臭の原因になる理由は3つあります。

  • 虫歯の穴に食べかすが詰まり細菌が繁殖するため
  • 歯の神経が腐敗するため
  • 歯の根の先に膿が溜まるため

それぞれについて解説します。

虫歯の穴に食べかすが詰まり細菌が繁殖するため

虫歯で歯質に穴が開くと、そこに食べかすが詰まったり、細菌が繁殖しやすくなったりします。
食べ物が詰まったままになると、食べ物が腐敗する臭いにより口臭が発生します。また虫歯箇所では細菌が繁殖しやすくなり、細菌からも臭いが発生します。

歯の神経が腐敗するため

虫歯が進行し、歯の神経にまで達し、その後放置すると歯の神経は死んでしまいます。
歯の神経が死んで腐敗すると、口臭の原因となるガスが発生し、特有の臭いを発するようになります。

歯の根の先に膿が溜まるため

虫歯が進行して、神経も死んでしまうと、歯の根の先に膿を溜めてしまうことがあります。
膿は強い臭いが発生するため、口臭の原因になります。

虫歯と口臭の関係

虫歯が原因の口臭の対策

虫歯が原因になっている口臭の対策は、虫歯を治療するほかありません。
虫歯は放置して治る病気ではなく、放置しただけ悪化します。できるだけ早めに治療をすることが大切です。
虫歯の進行の程度と、その治療法は次のとおりです。

初期の虫歯の治療

虫歯がエナメル質、また象牙質まで進行してもごく小さな虫歯の場合には、虫歯を取り除き、歯科用のプラスチック材を詰める治療を行います。

この段階の虫歯は、まだ大きな穴にはなっていませんが、細菌が繁殖しやすくなっている場合や食べ物が挟まりやすくなっている事があり、臭いの原因になります。
1回の治療で済みますので、早めの治療が望ましいです。

中程度の虫歯の治療

虫歯が象牙質にまで進行しており、虫歯を取り除き、型取りをして、出来上がった詰め物や被せ物を入れる治療になります。
明らかな「虫歯の穴」ができている場合が多く、食べ物が詰まり、口臭の原因になっていることが考えられます。
この段階になると、冷たいものや甘いものがしみるなどの自覚症状が出てきているはずです。最低でも2回の通院が必要になります。
虫歯が神経にまで進行する前のこの段階までに、治療をすることが望ましいです。

神経に達した虫歯の治療

虫歯がさらに進行して、歯の神経にまで達してしまうと、歯の神経を取る治療を行わなければなりません。
ズキズキとした強い痛みが発生するようになります。
放置すると、次第に歯の神経が死んでしまい、痛みは一旦治ります。
歯の神経が腐敗して口臭は強くなっていきます。
それでも放置し続けると、歯の根の先に膿を溜めてしまうようになります。
歯の内部の感染が無くなるまで歯の根の治療を続ける必要があるため、治療も時間がかかり負担が大きくなります。

歯を残せない虫歯の治療

虫歯がさらに進行して、歯の大部分を失ってしまうと、抜歯せざるを得なくなります。歯の根だけしか残っていない場合もあります。
歯の根の先に膿を溜めていることも多く、膿による口臭が発生しています。また顎の骨の感染により強い痛みが発生することもあるため、早めの治療が必要です。

虫歯の治療

歯周病が口臭の原因になる理由

歯周病は独特の強い口臭を発生することで知られています。
次の2つが主な口臭の原因です。

  • 歯周病菌が繁殖しガスを発生させるため
  • 歯周組織が破壊されて膿が出るため

それぞれについて解説します。

歯周病菌が繁殖しガスを発生させるため

歯周病に感染し、歯周ポケット内で歯周病菌が繁殖すると、揮発性硫黄化合物(VSC)のガスを放出します。
このガスには複数の種類があり、その臭いが口の中で混ざり合うことで強い臭いになります。

歯周組織が破壊されて膿が出るため

歯周病により、歯を支える組織である「歯槽骨」や歯と歯槽骨を結びつける「歯根膜」が破壊されていくと、歯周ポケットから膿が出るようになります。
膿自体が強い臭いを持っていて、口臭が発生します。

歯周病と口臭

歯周病による口臭の特徴

歯周病による口臭は、放出する揮発性硫黄化合物(VSC)のガスの種類によって、次の3タイプの特徴があります。

玉ねぎの腐敗に似た臭い

歯周病に伴う口臭の中で特に代表的な原因は、メチルメルカプタンと呼ばれる揮発性硫黄化合物です。
これにより、腐敗した玉ねぎのような臭いが発生します。
メチルメルカプタンは強力な毒性を持ち、口臭の原因だけでなく、歯周病の進行を悪化させる要因となります。

卵の腐敗に似た臭い

歯周病による口臭の主要な原因の一つは、「硫化水素」という揮発性硫黄化合物です。
これは腐敗した卵のような臭いがします。
この臭いは歯に付着したプラークだけでなく、舌についた汚れからも発生しやすいです。

キャベツの腐敗に似た臭い

臭いの原因は、揮発性硫黄化合物であるジメチルサルファイドです。
これにより、生ゴミや腐敗したキャベツのような特徴的な臭いが発生します。
この臭いは消化器系や肝臓の疾患にも関連しており、虫歯や歯周病がない場合でも、全身の疾患の可能性が考えられます。

歯周病が原因の口臭の対策

歯周病が原因になっている口臭の対策には、やはり根本的に歯周病治療を進めていくことが必要です。
歯周病治療は、歯科医院で行う「歯周基本治療」と自宅で行う「ブラッシング」の両方が重要になります。

歯周基本治療

歯周病の原因になっている歯石や歯垢の除去を行い、歯周ポケット内部の汚れや歯の根の表面も滑沢になるように清掃します。
ぐらぐらする歯がある場合には、噛み合わせの調整等も行います。

これらの基本治療により、歯周組織が改善して、歯周ポケットの深さが浅くなってくると定期的なメンテナンスに移行します。

改善されない場合には、再び歯周基本治療を繰り返すか、必要に応じて歯周外科処置を行います。
歯周外科処置では、歯ぐきを切開して歯周ポケット内部を直接目で見ながら、歯根表面の汚れを取り除きます。

ブラッシング

歯科医院で行う治療と同様に大切なのは、自宅でのブラッシングです。
歯周病菌がしっかりと取り除けるように丁寧に歯磨きを行います。
歯ブラシだけなく、歯間ブラシやデンタルフロス・ワンタフトブラシも併用して、汚れを取り除くことが大切です。
歯周病の進行程度等、自分に合った歯磨きが必要になりますので、歯科医院のブラッシング指導を受けて、効率的に汚れを落とせるようにすると良いでしょう。

歯周病の予防

まとめ

口臭の原因には様々なものがありますが、丁寧に歯磨きをしているつもりなのに、口臭を感じるという場合にはお口の中の二大疾患である「虫歯」や「歯周病」が原因になっているかもしれません。
一度歯科医院を受診すると良いでしょう。

また、口臭にはお口の中以外に原因があるものもあります。
自己判断はせずに必要に応じて他科への受診や検診を行うようにしましょう。

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