さて、「親知らずは必要のない歯」であることは以前に触れました。
ここでは、「親知らずを生えっぱなしにさせておく際のリスク」と
「抜歯する際のリスク」についてお話ししたいと思います。
親知らずを生えた状態のまま何もしない場合、
大きく分けると以下、3つのリスクが考えられます。
「親知らず」が口腔内に残ったままで発生するトラブルの代表的なものは「虫歯」や「歯周病」だと言えます。
歯ブラシが届きにくく綺麗に磨ききれず歯垢が溜まってしまう、というのが主な原因と考えられています。
普通の歯でも同じことが言えますが、口腔内が不衛生な状態になっていると、虫歯や歯周病になりやすいのです。
これは親知らずが生えてくる位置が関係しています。
人間の下あごには大きな歯の神経が通っています。
ここに、下あごに生えてきた親知らずが当たってしまっていると歯の神経が圧迫され、痛みを引き起こすのです。
結果、「あごの関節が痛い」という症状を引き起こすことがあるのです。
親知らずは非常に大きな歯です。
本来なら生えてくることのない歯が生えることで、隣の歯を圧迫してしまいます。
結果、他の歯を本来の位置からずらしてしまうことになり、上下のかみ合わせがずれてくることになるのです。
親知らずが生えてくると、大抵の歯医者では「抜きましょう」というのがセオリーかと思います。
が、抜歯する際にももちろん、リスクは伴います。
特に下のほうに生えている歯ですが、大きな歯の神経がすぐ近くを通っているため、
抜歯の際は歯の神経に触ってしまわないように細心の注意が必要です。
もし触ってしまった場合、手術を受けた人の約3%に「下唇がしびれる」という症状が出ることもあります。
これは投薬で治ることも多々ありますが、リスクとして知っておいた方がよいことでしょう。