虫歯を放置すると、歯の奥深くにある歯の神経(歯の神経)まで細菌は侵入します。
侵入した細菌を取り除かなければ、病状は悪化し、
最後には歯を抜かなければなりません。
そうならないように行うのが、根の治療です。
治療では根の中に侵入した細菌と細菌で汚染された
歯の神経や歯の内部を機械的・化学的な清掃により取り去ります。
根の治療は大きく分けて
「抜髄(バツズイ)」と「感染根管治療」に分かれます。
抜髄は細菌が歯の神経まで進行しているが、歯の神経が生きている場合の処置で、
細菌が歯の中にとどまっている状態です。
抜髄の成功率は高く、約90%程度と言われています。
感染根管治療は歯の神経が死んでしまっている、または根の再治療が必要になった場合に行う処置です。
細菌は歯の中から飛び出し、顎の骨の中にまで進んでいます。
抜髄と比較すると、治療の期間がかかりますし、成功率は約70%程度と低くなります。
根管治療についての説明動画を用意いたしましたので、ぜひご覧ください。
根の治療は時間と回数がかかります。
奥歯の場合だと、根の治療だけで6〜7回くらいかかることもあります。
前歯の場合は1本の歯に根の数が1つのことが多いですが、奥歯では1本の歯に対して根が3〜4つあることがほとんどです。
数が多いため、単純に回数がかかります。
また、根の形は3次元的に複雑な形をしているため、一筋縄では汚染物質を取りきれず、回数がかかることもあります。
家を建てることに例えるならば、根の治療は基礎工事にあたります。
しっかりとした家を建てるためには、基礎工事がしっかりしていることが重要です。
根の中が汚染されていても、痛みや症状がないことも多いです。
「いつまで治療がつづくの?」と思うこともあると思いますが、根の治療だけに、根気強く頑張っていきましょう。
再治療の成功率は低くなります。再治療を避けるためには2点気をつけてください。
根の治療では専用の器具を用いて、根の先の先まで洗浄していきます。
その際に根の先の組織を刺激したり、
汚染物を僅かに根の先に押し出すことがあるため、
歯が浮くような感覚が2〜3日出ることがあります。
稀ではありますが、数%の可能性で大きく腫れたり、
強く痛むことがあります。
これはフレアーアップと呼ばれ、
重症な歯や免疫力が低下している場合に生じやすいと言われています。