治療中は目をつむっていたり、目元にタオルをかけていることが多いので、
どんな治療をしているか、どんな器具を使っているかわからないですよね。
よく患者様から聞かれることの多い質問の1つに、
根っこの治療中に鳴っているピーピーという音は?というのがあります。
音の正体は、こちらの右上の機械です。
根管長測定器(Endodontic meter)と言われるものです。
生体の電気抵抗値を応用したもので、リーマーが根っこの先(根尖)に近づくと音がなるように設計されています。
口の端に何か金属のようなものを引っかけられると思いますが、あれは唾液を通して電極を通すためのものです。
少し難しい言葉が沢山出てきましたが、簡単にご説明すると、根っこの先までの長さを測定する為に使われており、
ピーピーという電子音が鳴るのは、「根の先端近くまで来ていますよ」という合図という事です。
測定器の表示される数値や、音を聞きながら、手の感覚を頼りに根尖の位置を把握することによって治療を行っています。
リーマーが根尖の位置から突き抜けると、歯根膜を傷つけてしまう恐れもあるのです。
そうした理由から、根っこの治療は慎重に行うことが重要であり、そのため治療回数や時間がかかってしまうことが多いです。
痛みが無くなったし、回数がかかるから行くのをやめてしまった、忙しくて治療途中のままになっている、
そんな方も多くいらっしゃるかと思います。
根っこの治療中の歯は、健康な歯に比べると非常に脆く、長く放置していると割れてしまう事や、
唾液などに含まれるバイ菌がまた根っこの中に入り込んでしまうリスクもあります。
治療途中の歯がある方、気になっている歯のある方は、この機会に歯医者さんにお電話してみて下さいね。