歯科検診と予防歯科って何が違うの?

  1. はじめに
  2. 歯科検診の内容
  3. 歯科検診と予防歯科の違い
  4. 予防歯科の処置内容
  5. 予防をすることでどんなメリットがあるの?
  6. まとめ

はじめに

一昔前は、歯や歯ぐきが痛い時や何かトラブルが起きてから歯科医院へ行くことが一般的でした。しかし、近年はそれでは遅いという認識が浸透しつつあります。なぜなら、虫歯や歯周病は痛みや症状が出た時点でかなり進行してしまっているからです。虫歯が進行し歯の神経を取った場合、歯の寿命を縮めることになります。また重度の歯周病になると最悪の場合、歯を失うこともあります。虫歯や歯周病は、風邪などのように自然治癒することはありません。

痛みや症状が出る前に定期的に歯科医院を受診し、予防することが大切です。虫歯や歯周病を未然に予防するための処置や歯磨きのブラッシング指導などを予防歯科といいます。

では、数ヵ月に一度受ける歯科検診とは何が違うのでしょうか。今回は、歯科検診と予防歯科との違いや予防歯科を受けるメリットについてまとめました。

虫歯の予防 歯周病の予防

歯科検診の内容

虫歯の治療や歯周病の治療などの終了後に、「〇ヵ月後にまた来てください。」と言われたことがある方も多いかと思います。その数ヵ月に1度受診するのが歯科検診です。

歯科検診では、歯科医院によって多少の差はありますが、虫歯のチェック、歯周病の検査、口腔粘膜の状態のチェック、磨き残しのチェック、歯磨き指導、歯石取り、PMTC(クリーニング)などを行います。虫歯や歯周病があった場合は、それらの治療に進みます。その際必要に応じてレントゲンを撮ることもあります。

歯科検診の頻度は、患者さま一人ひとりに合った期間を歯科医師または歯科衛生士が決めています。虫歯や歯周病リスクの高い方は1ヵ月から3ヵ月といった短い期間での受診を、リスクが低く歯磨きも上手にできている人は4ヵ月から半年と期間を開けての受診を勧められるでしょう。

予防歯科と歯科検診の違い

予防歯科は、虫歯や歯周病を未然に防ぐことを目的としていることをお伝えしましたが、実は歯科検診も予防歯科の一環でもあります。歯科検診は、定期的に受診することで早期発見、早期治療を目的としています。

予防歯科は「歯や歯ぐきが痛くなる前に予防しましょう」という取り組みと考えるとわかりやすいかもしれません。歯科検診も痛みが出てから行くのではなく、定期的にメインテナンスをすることを意味します。似て非なるものかと思われるかもしれませんが、予防の一環でもあるのです。

また予防歯科という診療科はありません。歯科の診療科は、歯科、矯正歯科、小児歯科、口腔外科の4つに分かれます。歯科は一般歯科ともいわれ、虫歯や歯周病、入れ歯の治療など多岐にわたります。予防は、一般歯科で行われることが多いかと思います。

予防歯科の処置内容

予防歯科では、歯科検診の内容と重複するところもありますが、プラークコントロール、歯質の強化、生活習慣の改善を行います。予防には、ご自身で行うセルフケアと歯科医院で行うプロフェッショナルケアがあります。
プラークコントロールとは、プラークと呼ばれる虫歯や歯周病の原因になる細菌の塊を取り除くことをいいます。ご自身でする歯磨きはセルフケアに当たりますが、歯はとても複雑な形をしており、歯ブラシだけでは全て取り除くことはできません。それらをプロフェッショナルケアと呼ばれる歯科医師や歯科衛生士が行うスケーリング(歯石取り)やPMTC(クリーニング)といった方法で取り除きます。

歯の強化には、フッ素塗布が有効です。セルフケアでは、フッ素入りの歯磨き粉を使用することやフッ素入りの洗口剤を使用することでも効果があります。そしてフッ素を長く口腔内にとどめて効果を発揮させるために、使用後はたくさんゆすぎ過ぎないこともポイントです。
プロフェッショナルケアでは、家庭では使用できない高濃度のフッ素を塗布することが可能です。

生活習慣の改善は、禁煙や食事内容の改善、食事や間食のとり方などがあげられます。
喫煙は、歯周病の原因の一つでもあり、たばこを吸うことで歯周病治療の妨げになることもわかっています。栄養のある食事を取って免疫力を上げることも全身の健康にも繋がりとても大切です。免疫力が下がった時に、歯ぐきが腫れたりすることはよくあることです。後述しますが全身と口腔は繋がっているのです。

また、食事や間食の回数は、多ければ多いほど虫歯になるリスクが高くなります。食べ物を摂取するとお口の中が酸性に傾きます。その後唾液の作用で時間をかけて中性に戻ります。中性に戻る途中で食べ物を摂取することを繰り返すと食事回数が頻回になるため、酸性になっている時間が長くなり、歯が溶けて虫歯になりやすくなります。そうならないためにも食事や間食のとり方は大切です。生活習慣の改善方法の指導も予防歯科の一環といえます。
一見関係のないことも含まれているように感じるかもしれませんが、全て予防歯科につながっています。

歯のクリーニング

予防をすることでどんなメリットがあるの?

予防することでのメリットは、一つ目に高齢になっても歯を多く残すことができることです。

1989年から歯科医師会と厚生労働省が提唱している8020(ハチマルニイマル)運動があります。80歳で歯を20本以上残しましょうという取り組みです。20本以上自分の歯があるとしっかり噛むことができ、何でも食べられるからです。健康でいるためには、十分な栄養、睡眠、適度な運動が必要です。そのうちの栄養は、一番初めに“口”から入ります。しっかり噛んで、十分な栄養を取るためには、歯がしっかり残っていることが大切なのです。もし、歯を失って入れ歯やインプラントになった場合、天然の歯の咀嚼率4割から8割まで下がるといわれています。やはりご自身の歯に勝るものはありません。
高齢になっても、自分の歯があることで、健康寿命を延ばすことができます。

二つ目に、生涯にかかる歯科医療費の負担が少なくなることです。 予防歯科の一環である歯科検診は保険診療で3割負担の場合、1回につき約2,000円から3,000円の費用がかかります。半年に1度受診をしたとして1年間にかかる費用は4,000円から6,000円程度です。
しかし、歯を失って入れ歯やインプラント治療を行う場合はどうでしょう。保険で入れ歯を作った場合、15,000円程度(総入れ歯の場合)、インプラントは1本20万円から30万円程かかりますので、検診に通う方が費用を抑えられることがわかります。

三つ目に、早期発見することで、治療時の痛みを軽減することができます。
なぜなら初期の小さな虫歯治療は、麻酔もいらずに少し削って、歯科用プラスティックの材料で詰めるCR(コンポジットレジン)という簡単な処置で済むことが多くあるからです。麻酔もいらないので、痛みはほぼないといえます。
一方、進行してしまってからでは、麻酔は必須で、神経を取った場合治療後も痛むことが考えられます。また治療もまだ必要のない要観察歯と呼ばれる虫歯の前段階、虫歯になりそうな歯を早期発見できれば、フッ素塗布や正しい歯磨きで虫歯の進行を抑えることも可能です。

四つ目に、認知症の予防や糖尿病の予防など、全身の病気の予防になることです。
近年は、歯周病が認知症や糖尿病と深く関わっていること、口腔内を綺麗にすることで高齢者の誤嚥性肺炎の予防になることが分かっています。口腔内と全身の健康は、深く関連しています。

まとめ

歯科検診と予防歯科は、全く別のものなのではなく、目的は違えど歯科検診は予防歯科の一環だということをお分かりいただけましたでしょうか。

そして、予防歯科は診療名ではなく虫歯や歯周病を予防しましょうという取り組みのことです。予防することで、歯を多く残して健康寿命が延ばせる、医療費が少なく済む、早期発見することで治療時の痛みが少ない、全身の病気の予防になる、など多くのメリットがあります。

歯科受診は、痛みが出てから行くのではなく予防目的で数ヵ月に一度は通うことをお勧めします。

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