虫歯ができやすい場所を効果的に磨くことが
重要です。
溝には汚れが溜まりやすいので、歯ブラシを細かく動かすことがポイントです。ただし、生まれつき歯の溝が狭くて深いことがあります。 その場合は歯ブラシでは汚れを落とすことができませんので、溝を埋める処置(シーラント:後述)をする必要があります。
ここは歯ブラシだけで汚れを落とすことは不可能です。フロスや歯間ブラシといった補助器具を使用しましょう。
ただ、歯ブラシの後では面倒になったり、忘れてしまったりするので、歯ブラシの前にフロスや歯間ブラシをすることをお奨めしています。
歯ブラシの毛先が軽く歯ぐきに触れる感覚を身につけましょう。
歯ぐきをゴシゴシと強く磨いてしまうと歯ぐきが傷ついたり、歯ぐきが下がってしまうことがあります。
歯ブラシは毛先が柔らかいものを選びましょう。
また、毛先が広がった歯ブラシは歯と歯ぐきの境目に毛先が当たらず汚れが残ってしまうだけでなく、歯ぐきを傷つける原因にもなります。
少しでも歯ブラシの毛先が広がったら歯ブラシを交換しましょう。もし、歯ブラシの毛先が広がっていなくても、毛先がへたってしまうので、1ヶ月ごとに歯ブラシを交換することをお奨めしています。
虫歯予防の効果がある歯磨き粉はフッ化物入りのものです。現在、フッ化物入り歯磨き粉のフッ化物イオン濃度は1450ppmまでのものが市販されています。濃度が高ければ高いほど虫歯の予防効果はありますが、摂取しすぎると歯や骨に悪影響が出ますので、年齢に応じて使用量が決められています。
年齢 | 使用量 | 歯磨き粉のフッ素の 濃度 |
---|---|---|
歯の萌出~2歳 | 切った爪程度の少量 | 500ppm(泡状歯磨き粉なら 1000ppm) |
3~5歳 | 5mm以下 | 500ppm(泡状歯磨き粉なら 1000ppm) |
6~14歳 | 1cm程度 | 1000ppm |
15歳以上 | 2cm程度 | 1000~ 1500ppm |
日本口腔衛生学会フッ化物応用委員会 編 フッ化物応用の科学 第2版 口腔保健協会, 2018.
フッ化物イオンは歯とプラークのそれぞれに作用して、虫歯を予防します。
歯の表面ではフッ化物イオンが歯に入り込むことでハイドロキシアパタイトがフルオロアパタイトへ変化します。 それにより耐酸性が高くなるため、虫歯になりにくい強い歯質を獲得できます。
食事をすると歯からカルシウムやリンが溶け出します(脱灰)が、 フッ化物イオンの効果によりカルシウムの取り込みが早くなります。
虫歯菌に作用して、その活動性が弱くなるため、歯を溶かす酸の量を抑えます。
一般的に砂糖(ショ糖)が虫歯の原因と思われていますが、それだけではありません。
虫歯の原因は発酵性炭水化物です。発酵性炭水化物とは米やパスタ、いも、果物などに含まれています。つまり、ほとんどの食品に虫歯のリスクがあるわけです。
虫歯にならない食生活とは
1)間食を含めた食事の回数を少なくすることと、
2)発酵性炭水化物の摂取量を抑えつつバランスの良い食事を心がけることになります。
また、唾液の分泌を促すためによく噛んで食べることも虫歯の予防になります。
溝が深いはでは、歯ブラシで汚れを取り去ることができません。
その溝をプラスチックで埋めて、虫歯を予防します。