予防歯科の先進国スウェーデンに学ぶ!
歯の健康を保つために必要なこと

  1. はじめに
  2. 健康のために予防すべき歯の病気
  3. 発症してからでは遅い!予防歯科の重要性
  4. スウェーデンの予防歯科の歴史とその内容
  5. スウェーデンの予防歯科の歴史
  6. スウェーデン式予防歯科とは
  7. スウェーデン式予防歯科は矯正にも積極的
  8. 日本でも広まってきたスウェーデン式予防歯科
  9. まとめ

はじめに

歯の健康を守るためには、毎日の口腔ケアと歯科医院で定期的なメンテナンスを受診するなどの予防が必要です。世界最先端の歯科医療を誇るスウェーデンの予防歯科を参考に、歯の健康を保つために必要なことについて解説します。

健康のために予防すべき歯の病気

自分の歯を健康に保つことは、高齢になっても快適に過ごすために非常に重要なことです。歯の健康を脅かす主な病気としては、虫歯や歯周病などがあります。歯の病気を正しく予防するためにも虫歯や歯周病がどのような病気なのかについて詳しく説明します。

歯の病気その①虫歯

歯の病気の中でも一番悩んでいる人が多いとされる虫歯は、口腔内に入った虫歯菌が酸を生み出し、その酸によって歯が溶かされ穴が開き壊れていくという歯そのものに発症する病気です。症状が進行すると、歯の神経や血管にまで菌が侵入し、激しい痛みが出てきます。

最終的には神経が死んでしまったり、顎の骨まで炎症が進んでしまったりすることもあり、放置できない病気です。

虫歯

歯の病気その②歯周病

自覚なく症状が進行していることが多い歯周病は、歯周病菌が原因で歯ぐきや歯の周りの骨が壊されていく病気です。歯を支える役目をもつ歯ぐきや骨が壊れるため、症状が進めば歯は抜け落ちてしまいます。

さらに歯周病は歯の機能に障害を与えるだけでなく、歯ぐきが炎症することによって、インシュリンの働きの低下に伴う糖尿病や血管の病気、誤嚥性肺炎など、全身の病気を引き起こす場合もあるため、早急な治療が必要です。

歯周病

発症してからでは遅い!予防歯科の重要性

歯の病気は症状の進行に気づきにくく、症状を自覚した時には既に重症だったというケースが多いようです。虫歯や歯周病は完治までに多くの費用や時間が必要で、さらに治療を始めたとしても完治までの間に虫歯や歯周病に伴う体の病気が進行する恐れもあります。

積極的に予防歯科に取り組めば費用も治療の時間も大幅に削減できるはずです。実際、予防歯科の先進国であるスウェーデンでは1人あたりの虫歯の数が日本と比べて少なく、さらに自分の歯で食事を噛んで食べることができる高齢者が日本よりも非常に多いという統計結果が報告されています。

スウェーデンの予防歯科とはどのようなものなのでしょうか。

スウェーデンの予防歯科の歴史とその内容

スウェーデンは世界有数の予防歯科先進国です。80歳代の平均残存歯数は20本を超え、インプラントや矯正も保険医療に含まれています。今では予防歯科が主流になってから生まれた人の割合が多くなっているため、義歯を入れている人は非常に少ないです。スウェーデンの予防歯科の歴史と具体的な内容を紹介します。

スウェーデンの予防歯科の歴史

スウェーデンの歯科の歴史のターニングポイントは1970年代です。当時は多くの国民が虫歯や歯周病に悩んでいました。そこで政府は「虫歯と歯周病の予防」を国家戦略として取り組み、「治療から予防へ」という方針のもと、国民が予防歯科を受けやすくなるように様々な制度を整備しました。

政府からの要請を受け、予防歯科の基盤を作ったイエテボリ大学のペール・アクセルソン博士は「根拠のあるデータに基く治療」が歯科医療に重要であると主張し、1972年から30年に渡って「成人に対する長期予防臨床研究」を続け、予防治療を行った治験者グループと年に一度しか歯科を受診しない治験者グループの比較調査を行い、予防歯科が口腔内を健全に保つために重要な役割を果たすことを「根拠に基づいて」証明しました。

その功績から後に「予防の父」と呼ばれるようになったペール・アクセルソン博士以外にもスウェーデンは多くの優秀な歯科医師や研究者を排出しています。優秀な学者たちの研究や政府の強い指導及び制度の整備によって、予防歯科はスウェーデン国民にとって「当たり前のこと」として浸透し、今ではスウェーデンは歯科医療が世界一発達した国と認識されるようになったのです。

スウェーデン式予防歯科とは

スウェーデン式予防歯科では、定期的に歯のメンテナンスを行うことによって虫歯や歯周病を防ぎ、歯の健康を保つ治療を指します。

例えばスウェーデンでは成人まで矯正やインプラントを含む歯科治療は全て無償です。20歳を超えた場合でも予防治療にかかる費用の7割は国が負担します。日本では健康保険に加入していても医療費の7割を被保険者が負担しなければならないことを考えるとスウェーデンの予防歯科受診のハードルの低さは費用面でも明確です。

さらにスウェーデンでは全国民に定期的な歯のメンテナンスと、口腔内を健康に保つための指導を受けることを義務付けており、現在では国民の9割以上が定期的に歯科検診のために通院し、全世代を通して虫歯や歯周病のために歯を失う人は非常に少なくなっています。歯の定期メンテナンスを行っている人は5%以下で、80代高齢者に残っている歯の平均値が一桁台である日本と比較すると、予防歯科がいかに重要であるかお分かりいただけると思います。

  1. 発症してからでは遅い!予防歯科の重要性
  2. スウェーデンの予防歯科の歴史とその内容
  3. スウェーデンの予防歯科の歴史
  4. スウェーデン式予防歯科とは
  5. スウェーデン式予防歯科は矯正にも積極的

スウェーデン式予防歯科は矯正にも積極的

スウェーデンでは矯正やインプラントといった歯並びやかみ合わせに対する治療も日本より積極的に行われていますが、これは歯並びやかみ合わせの不具合が歯の健康に影響を及ぼすことを重要視しているからです。

歯並びが悪いと毎日の歯磨きがうまくできず、歯垢が残りやすくなりますが、細菌が繁殖しやすい歯垢は虫歯の原因の一つになります。
またかみ合わせが悪いと口をしっかり閉じることができず、口腔内は乾燥します。口腔内の乾燥は唾液が出にくくなる原因の一つですが、虫歯菌から出る酸を中和し、酸で溶かされた歯を修復する唾液が少ない口腔内は、虫歯や歯周病が発症しやすい状態なのです。

日本ではインプラントやかみ合わせの矯正は見た目を整えるために行うものと認識されていることが多いですが、スウェーデンでは予防歯科の一環として定着しており、国がその治療費の7割を負担しています。

矯正歯科

日本でも広まってきたスウェーデン式予防歯科

歯に不具合を感じなくても定期的に歯科に通っているという人の割合が非常に少ない日本でも、最近では「歯の健康は体全体の健康に大きく影響する」という考えが少しずつ広まってきており、スウェーデン式予防歯科を導入している病院も増えています。

スウェーデン式予防歯科の具体的なメニューとしては、虫歯や歯周病が発生の有無に関する定期的な観察や唾液検査、毎日の歯磨き指導、口腔内の除菌や消毒、スイスに本社を置くEMS Dentalが開発した「エアフロー プロフィラキシス マスター」などを利用した超音波による歯面の清掃、ビタミン剤の投与などがありますが、日本の歯科でもこれらのメニューの多くを採用し始めたようです。

エアフロー

まとめ

現在の日本では予防歯科が定着しているとは言えません。日本では「不具合の症状が出ていないのに歯科に通院したくない」、「予防のために歯科に時間や費用をかけたくない」と考える人が多いようですが、予防のために通院する際の時間や費用と、不具合の症状が出てからの通院した際の時間や費用を比べれば、予防に積極になった方が歯科治療の負担は明らかに低くなるはずです。

スウェーデンのように歯科治療に対する国の制度が整うにはまだ時間がかかりそうですが、歯の健康を保つには「治療より予防が大事」という考え方の正当性はスウェーデンの予防歯科の実績が証明しています。

歯の健康、そして体の健康を長く保ちたいのであれば、スウェーデン式予防歯科を参考にしてはいかがでしょうか。

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