保険の入れ歯と
自費の入れ歯の違い

装着感・見た目
だけでなく、
「長く使えるか」という視点

入れ歯の違いというと、
「見た目がきれいかどうか」
「違和感が少ないかどうか」

が注目されがちです。

しかし、臨床の現場で長く入れ歯治療に携わっていると、それ以上に重要だと感じる点があります。

それは、強度と、それが顎の骨(顎堤)に与える影響です。

装着感の違い

保険の入れ歯
  • プラスチック(ピンク色の部分)が厚くなりやすい
  • 違和感や異物感が出やすい場合がある
自費の入れ歯
  • 薄く設計できる
  • 舌や頬の動きと調和しやすい
  • 装着感が軽く感じられることがある

※感じ方には個人差があります。

上顎総入れ歯のレジン床と金属床の違い

審美性の違い

保険の入れ歯
  • 使用できる材料が限定される
  • 金属のバネ(クラスプ)が見える場合がある
自費の入れ歯
  • 材料・設計の自由度が高い
  • バネを目立ちにくくする設計や、金属床義歯などが選択できる

部分入れ歯での違い:左側が金属製のバネ、右側が樹脂を用いたバネ(保険適応外)

オーダーメイド入れ歯の症例

強度の違いと顎堤
(あごの骨)への影響

ここは、専門的ですが非常に重要なポイントです。

保険のレジン床義歯

保険診療の入れ歯は、レジン(樹脂)という材料を主体で床を作るというルールがあります。

このレジン床義歯は、以下のような構造的な制約があります。

  • 材料的に強度を確保しにくい
  • 割れやすさを防ぐため、厚みが必要になる


その結果、以下のような問題が生じることがあります。

  • 噛んだ力が均等に伝わりにくい
  • 入れ歯がたわみやすい

自費診療の金属床義歯

一方、自費診療では、以下のような工程が可能です。

  • 金属による補強
  • たわみにくい構造設計


金属床義歯は、以下のような特徴があります。

  • 薄くても十分な強度を確保できる
  • 噛む力を比較的均等に顎堤へ伝えやすい

顎堤吸収と
リライニングの頻度

顎堤(入れ歯が乗るあごの骨)は、入れ歯の力の伝わり方によって吸収の進み方が変わると考えられています。

臨床的な実感として、

  • 保険のレジン床義歯
    比較的早い段階(数ヶ月〜数年)で適合が悪くなり、リライニング(裏打ち調整)が必要になることが多い
  • 自費診療の金属床義歯
    長期間、適合が安定し、リライニングの頻度が少ない傾向がある


という違いを感じることが少なくありません。

これは、入れ歯自体の強度やたわみの少なさが、顎堤への負担を抑えている可能性があります。
※すべての症例で同じ結果になるわけではありません。

清掃性の違い
(部分入れ歯の場合)

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保険の
入れ歯
  • 残っている歯の自浄性が低下しやすい
  • レジンにはデンチャープラークが付着しやすい
自費の
入れ歯
  • 設計の自由度が高く、清掃しやすい形にしやすい
  • 残存歯への負担や汚れを考慮した設計が可能
保険の入れ歯
  • 残っている歯の自浄性が低下しやすい
  • レジンにはデンチャープラークが付着しやすい
自費の入れ歯
  • 設計の自由度が高く、清掃しやすい形にしやすい
  • 残存歯への負担や汚れを考慮した設計が可能

結果として、虫歯や歯周病のリスク管理がしやすいという違いが出ることがあります。

保険の入れ歯が「悪い」
ということではありません

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当院で保険の入れ歯を作った方で5年以上使い続けている方はたくさんいらっしゃいます。
長く使っていただくためには、痛い・痛くないという基準ではなく、定期検診に通院いただき、トラブルへの早期対応することが重要です。

誤解していただきたくないのは、 保険の入れ歯が使えない、意味がない、ということではありません。

制度の範囲内で、多くの人に一定水準の治療を提供するためのものです。

ただし、材料・設計・強度に明確な制約があるという事実を理解したうえで選択することが大切です。

当院でお伝えしたいこと

秋津歯科・矯正歯科では、

  1. 見た目や装着感だけでなく
  2. 強度や長期的な安定性
  3. 顎堤への影響

も含めて、入れ歯の違いをご説明しています。

「どちらが正解か」ではなく、「ご自身にとって、どこを重視するか」その判断材料を、できるだけ正確にお伝えしたいと考えています。

まとめ

入れ歯は、作った直後よりも、数年後に差が出る治療だと感じています。
強度、適合、顎堤の変化。そういった点まで含めて考えたとき、自費診療の入れ歯が選択肢になる理由があります。
もちろん、保険診療で対応すべきケースもあります。

大切なのは、ご自身が納得して選ぶことです。そのためのお手伝いをしたいと考えています。

入れ歯で後悔しないために

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