入れ歯の違いというと、
「見た目がきれいかどうか」
「違和感が少ないかどうか」
が注目されがちです。
しかし、臨床の現場で長く入れ歯治療に携わっていると、それ以上に重要だと感じる点があります。
それは、強度と、それが顎の骨(顎堤)に与える影響です。
| 保険の入れ歯 |
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| 自費の入れ歯 |
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※感じ方には個人差があります。
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上顎総入れ歯のレジン床と金属床の違い
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部分入れ歯での違い:左側が金属製のバネ、右側が樹脂を用いたバネ(保険適応外)
オーダーメイド入れ歯の症例ここは、専門的ですが非常に重要なポイントです。
保険診療の入れ歯は、レジン(樹脂)という材料を主体で床を作るというルールがあります。
このレジン床義歯は、以下のような構造的な制約があります。
その結果、以下のような問題が生じることがあります。
一方、自費診療では、以下のような工程が可能です。
金属床義歯は、以下のような特徴があります。
| 保険の 入れ歯 |
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| 自費の 入れ歯 |
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| 保険の入れ歯 |
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| 自費の入れ歯 |
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結果として、虫歯や歯周病のリスク管理がしやすいという違いが出ることがあります。
当院で保険の入れ歯を作った方で5年以上使い続けている方はたくさんいらっしゃいます。
長く使っていただくためには、痛い・痛くないという基準ではなく、定期検診に通院いただき、トラブルへの早期対応することが重要です。
誤解していただきたくないのは、 保険の入れ歯が使えない、意味がない、ということではありません。
制度の範囲内で、多くの人に一定水準の治療を提供するためのものです。
ただし、材料・設計・強度に明確な制約があるという事実を理解したうえで選択することが大切です。
秋津歯科・矯正歯科では、
も含めて、入れ歯の違いをご説明しています。
「どちらが正解か」ではなく、「ご自身にとって、どこを重視するか」その判断材料を、できるだけ正確にお伝えしたいと考えています。
入れ歯は、作った直後よりも、数年後に差が出る治療だと感じています。
強度、適合、顎堤の変化。そういった点まで含めて考えたとき、自費診療の入れ歯が選択肢になる理由があります。
もちろん、保険診療で対応すべきケースもあります。
大切なのは、ご自身が納得して選ぶことです。そのためのお手伝いをしたいと考えています。
入れ歯で後悔しないために