歯周病は治るの?

歯周病とは

虫歯と歯周病はお口の2大病です。歯周病とは歯の周り、歯を支えている骨が細菌(歯周病菌)の影響により破壊していく病気です。そして、歯周病は40代以降で歯を失うランキング1位です。

消毒液
歯周病の因子

さて、ここでチェックしてみましょう!

  • 歯磨きは1日1回
  • 年齢が40歳以上だ
  • タバコを吸う
  • お酒をよく飲む
  • 糖尿病と診断されている
  • BMIが高め
  • ストレスが溜まっている
  • 歯周病の人が家族にいる

該当するものはありましたか?

1つでもチェックのついた方は歯周病になるリスクが高い状態です。代表的な歯周病のリスクファクターには以下のものがあります。

代表的な歯周病のリスクファクター

  1. 糖尿病などの全身疾患
  2. 飲酒
  3. 喫煙
  4. 肥満
  5. ストレス
  6. 遺伝
  7. 噛み合わせ・歯並び
  8. 年齢
消毒液
歯周病の因子

※飲酒は純アルコール摂取量が男性40g~、
女性20g~の多量飲酒者になります。
ビール500ml /本で20g、日本酒1合で22gの
純アルコールが含まれます。

歯周病の症状

歯周病は虫歯と違って痛みを伴わずに進行することがほとんどです。以下のような症状が認められる場合、歯周病が進行している可能性があります。

  • 歯ぐきから血が出る
  • 歯ぐきが腫れた
  • 口の中がネバネバする
  • 歯ぐきががムズムズする
  • 歯が伸びたような気がする
  • 歯と歯の間に隙間ができた
  • 歯がグラグラする
  • 硬いものが食べにくい

歯周病の検査

歯周ポケットの深さ

歯周病の因子

歯の根と歯ぐきの間には歯周ポケットと呼ばれる溝が存在します。1本の歯に対して1〜6箇所の歯周ポケットを調べ、歯周病の進行具合を検査します。正常値は3mm以下で、4mm以上が病的な異常値となります。

歯ぐきからの出血(率)

歯周病の因子

歯周ポケットの計測時に歯ぐきから出血するかどうかを確認します。血液を栄養分とする歯周病菌がいますので、歯ぐきからの出血が認められる場合、歯周病菌が活発に活動し、骨に影響を及ぼしていることを意味します。

歯の揺れ具合

噛む力への抵抗力の有無を検査します。
揺れている歯は治療をしても歯周病が治りにくい傾向があります。

歯ぐきの質

歯ぐきの厚さや硬さも調べます。歯ぐきの抵抗力が弱いと歯磨きがしにくいため、歯周病が治りにくいことがあります。

歯周病の因子

頬小帯(すじ)が歯ぐきの近くに位置しているため、歯ぐきが下がるリスクが高い状態です。

レントゲンやCT

歯周病の因子

歯周病は骨に悪影響を及ぼす病気です。レントゲンやCTにより骨の形を検査します。

噛み合わせの検査

歯周病が悪化すると歯が動き、歯並びや見た目が悪くなったり、噛み合わせが悪くなることがあります。

歯周病の因子

前歯の位置が代わり、出っ歯になっています。

種々の検査より歯が残せるかどうかなどの治療の方法を決めていきます。

歯周病の因子

重度に歯周病が進行して抜歯となった歯です。歯根の表面に黒色の歯石が沈着しています。歯周病治療では、このように付着した歯石を除去します。ただし、破壊された骨の量や歯石の沈着状況、歯根の形態などから、治療が困難なことがあります。

歯周病の治療

歯周病の治療は歯周病菌を駆除するというシンプルなものです。ただ、ピロリ菌と異なり、抗生物質を飲めば治るというものではありません。確かに抗生物質を服用すると一時的には症状が緩和しますが、しばらくすると再発します。歯周病は内科的な治療での根治は難しく、外科的な治療が必要です。

しかし、歯周病は歯科医院に通院し、処置を受けていれば治るものではありません。ご自身での歯磨きが最も重要なのです。
そのため、1)歯ブラシやフロスなどで落とせない汚れ(歯石)を除去すること、2)ご自身で歯磨きがしやすい状態にすること、3)汚れを磨き切る技術を習得することが歯周病治療の内容です。そして、一連の治療が完了したら定期的なメインテナンスを行い、病状を安定させ、再発を防ぎます。

歯周病治療として行うこと

  • 歯磨き指導
  • プラークと歯石の除去
  • 磨き残しを惹起する詰め物や被せ物のやり直し
  • 磨きにくい歯並びの改善
  • 噛み合わせの調整
  • 口呼吸などの習慣改善
  • 失われた骨の再生療法手術
歯周病の因子

磨き残しを染め出しました。歯ぐき付近に磨き残しが認められます。この部分の磨き残しが歯周病の原因になります。

歯周病治療によるリスク

腫れている歯ぐきの炎症が治ると、

  1. 歯が延びたように感じることがあります。
  2. 神経のある歯では、しみることがあります。
  3. 歯ぐきが下がり、息が漏れることがあり
    ます。
  4. 歯の揺れが増すことがあります。
歯周病治療の症例

歯周病は治るの?

歯周病は治りますか?と質問されることがあります。歯周病は治るとも治らないとも言われていますが、まずは「治る」の定義を考えてみましょう。例えば、ケガをした時の「治る」とはケガをする前と変わらない状態に戻ることを意味するでしょう。
一方、ガンの場合、手術で悪い部分を取り除き、ガンの進行と転位がなければ、日常生活に多少の障害が残り、臓器の一部分を失ったとしても「治った」というでしょう。

では、歯周病についてです。歯周病は歯を支えている骨を失う病気ですので、ケガのように健康だった時と同じ状態になることはありません。そういう意味では歯周病は「治らない」となります(再生療法手術で骨を再生できた場合を除く)。
しかし、歯ぐきの炎症が解消され、歯を支える骨の破壊の進行を止めることができ、噛むなどの機能が維持されることを「治る」と考えれば、歯周病は「治る」病気となります。

個人的な見解として、歯周病は「治らない」と考えています。歯周病の原因となる細菌をお口の中から完全に排除することはできないため、常にリスクと隣り合わせの状態です。
そのため、ご自身での歯磨きと歯周病リスクを上げる生活習慣の改善、そして定期的なメインテナンスをしながら、病状を安定させることが重要です。
ある意味で、歯周病とは一生付き合っていくこととなります。

まとめ

歯周病は生活習慣と密接な関係があります。
歯を抜かないことが歯周病治療のゴールではありません。噛み合わせの機能や見た目を維持しながら、日常生活を支障なく過ごせる状態に維持することが重要です。失ったものを取り戻すことはできませんので、歯周病を発症させないよう、症状がなくても、定期的に歯科医院でチェックすることで歯周病を予防しましょう。

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