コピーデンチャーとは、直訳すると「複製義歯」です。
現在使っている入れ歯を特殊な方法により複製します。
なお、基本的には金属製のバネ(クラスプ)のある部分入れ歯ではなく、総入れ歯が対象となります。
修理期間に仮の入れ歯として使用していただきます。
コピーデンチャーは通常の入れ歯と比較すると圧倒的に短期間で製作することが可能です。
ただ、素材的に長期安定的に使用できるものではありません。
実際には、こちらの場面で使用することが多いため、ここでは新しく入れ歯を作る際のコピーデンチャーの意義などを解説します。
単に同じ形をコピーするのではなく、
といった、実際に使って「うまくいっている要素」を新しい入れ歯に反映させることを目的としています。
左側がコピーデンチャーです。右側の使用中の入れ歯を複製しました。
新しい入れ歯を作るためのコピーデンチャーなので、あえて「透明」で作りました。
入れ歯治療は、失われた歯の代わりとなる、無から有を作り出す作業の連続であるため、
ということが難しいケースが少なくありません。
治療用義歯などを使いながら、
を少しずつ整えていくことで、「この状態なら噛みやすい」「違和感が少ない」というポイントが見えてきます。
コピーデンチャーは、その“良い状態”を継承するための方法とも言えます。
上下コピーデンチャーを口腔内に装着した状態です。
コピーデンチャーを用いて新しい入れ歯の型取りと噛み合わせの記録を同時に行いました。
コピーデンチャーには、次のような利点があります。
特に、「何度も入れ歯を作り直してきた方」「新しい入れ歯になると合わなくなる経験がある方」にとって、有効な選択肢になることがあります。
一方で、コピーデンチャーにも注意点があります。
そのため、 「必ず良くなる方法」ではなく、状態を見極めたうえで選択する治療手法です。
秋津歯科・矯正歯科では、 コピーデンチャーを「便利なテクニック」としてではなく、 治療の流れの中の一つの選択肢として位置づけています。
これらを確認したうえで、必要と判断した場合にのみコピーデンチャーを用います。
誤解されやすい点ですが、
コピーデンチャーは、
「早く終わる方法」「楽な方法」
ではありません。
むしろ、
という、手間のかかる工程を踏んだ先にある方法です。
だからこそ、 最終的な入れ歯の完成度を高めることにつながる場合があります。
コピーデンチャーは、次のような方に検討されることがあります。
※すべての方に適応できるわけではありません。
コピーデンチャーを使用した入れ歯治療は、保険適用外(自費診療)となります。
費用については、治療内容や工程により異なるため、事前にご説明します。
入れ歯治療で大切なのは、「一度で完成させること」ではなく、その方にとって噛みやすい状態を見つけ、安定させることだと考えています。
コピーデンチャーは、そのための一つの方法です。
入れ歯でお悩みの方は、現在お使いの入れ歯も含めて、ぜひ一度ご相談ください。