セラミックはガラスセラミックと酸化セラミックに大別されます。ジルコニアは二酸化ジルコニウムを主成分とした酸化セラミックです。酸化セラミックは透明感がないため審美性に劣りますが、強度が高いため、割れるリスクは低いのが特徴です。一方、ガラスセラミックはガラス成分が入っているため、透明感があり、見た目に優れていますが、割れるリスクがあります。
セラミック治療についてジルコニアクラウンは硬いため、割れることはほぼありません。
ジルコニアクラウンは金属性のクラウンやご自分の歯と比較すると汚れがつきません。汚れがつかないため、虫歯や歯周病のリスクが低くなります。
ジルコニアクラウンはオールセラミックと比較すると透明感がありません。専用の着色剤を用いて色付けを行うステイニングを施すことで見た目の改善は可能ですが、見た目にこだわる場合はお控えいただいた方が良いでしょう。
ジルコニアクラウンは硬いため、割れるリスクは低いですが、硬すぎてしまうとも言えます。そのため、歯根や噛み合う歯に悪影響を及ぼすことがあります。
ジルコニアステインクラウンに使用するジルコニアは新型のジルコニアです。
では、旧来型のジルコニアと何が違うのでしょうか?
新型のジルコニアとは、旧来の二酸化ジルコニウムに二酸化イットリウムを添加したイットリア安定化ジルコニアと呼ばれています。特徴は透明度が高くなる、すなわち見た目の良いジルコニアということです。では、二酸化イットリアをたくさん添加すれば、ジルコニアのデメリットである見た目を改善できるのでは?と考えるかもしれませんが、二酸化イットリアの添加量が増えれば硬さが失われます。柔らかければ、かぶせ物としての耐久性が低くなってしまいます。その絶妙な配合のイットリア安定化ジルコニアがジルコニアステインクラウンには使用されています。
新型のイットリア安定化ジルコニアはイットリアのおかげでマイルドな硬さと透明度を有していますので、旧来型のジルコニアよりも優れた材料だと認識しています。
そして、ジルコニアステインクラウンでは専用の着色剤を用いて、ジルコニアに色付けを施しますので、前歯にも使用できる質があります。ただし、ジルコニアボンドと比較すると、見た目は劣ります。
ジルコニアクラウン | 60,500円 |
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ジルコニアステイン クラウン |
121,000円 |
※ジルコニアステインクラウンは専用の着色剤を用いて色付けを行います。
※ジルコニアステインクラウンに使用するジルコニアは透明感が高く、ジルコニアクラウンよりも硬くありません。
※2022年10月現在の治療費です。
年齢・性別 | 20代 男性 |
主訴 | 右下の歯が噛むと痛む |
治療部位 | 右下6〜8番 |
治療内容 |
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治療費 | 親知らずの抜歯(保険診療)約3,000円 ファイバーコア 16,500円×2 ジルコニアクラウン 60,500円×2 ※2022年10月現在の治療費用 |
治療期間 | 3ヶ月(親知らずの抜歯後に歯ぐきの治りを待ったため、通常のかぶせ物治療よりも期間がかかりました。) |
治療によるリスク |
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ジルコニアクラウンは優れたかぶせ物ですが、デメリットもあります。
治療に対して優先すべき項目はなんですか?治療費用?見た目?長持ち?皆さん、答えは異なるでしょう。
担当医としっかりと相談の上、かぶせ物の種類を選びましょう!