なぜ歯医者はセラミックを勧めたがるの?

虫歯の治療で詰め物になると言われました。
銀歯にはしたくないけど、セラミックは値段が・・・と思われる方が多いのではないでしょうか。
歯医者はどうして高価なセラミックを勧めるのか、歯医者の本音を解説します。

 

目次

  1. セラミックと銀歯の違い
    1. 素材編
    2. 製作編
    3. 技術編
  2. セラミックを薦める歯医者は儲け主義?
  3. まとめ

セラミックと銀歯の違い

一般的にはセラミックは白い歯、銀歯は銀色。
そんな違いしかわからないと思いますが、多くの違いを紐解いていきます。

素材編

「銀歯」

セラミック

保険診療で使用される金属は金銀パラジウム合金・銀合金・純チタンです。治療する歯の場所や治療方法によって使用できる金属に決まりがあり、純チタンは大臼歯のかぶせ物でしか使用することができません(2022年保険診療改訂時)。
金属に共通することとして、汚れ(プラーク)がつきやすいことが挙げられます。汚れがつきやすいということは、虫歯や歯周病のリスクが高くなることや口臭の原因にもなります。

金銀パラジウム合金・・・
パラジウムは金属アレルギーを起こしやすい金属の一つです。
ドイツなどの海外では幼児や妊婦には使用を禁じている国もあるくらいです。日本人にだけ安全ということはないでしょう。

銀合金・・・
銀を主成分とした合金です。銀合金は柔らかく、噛む力で変形してしまうこともあります。
そうすると歯との間に隙間が生じるため、そこから2次的な虫歯になるリスクが高くなります。
また、シルバーアクセサリーは放置すると黒く錆びてしまいますが、同じことが口の中で起こります。

純チタン・・・
チタン自体はインプラントにも使用されるように生体親和性が高く、金属アレルギーにはなりにくい安全な金属と言われています。
とても「硬い」金属のため、噛み合う歯を痛めたり、再治療の際に除去できなかったり(つまり再治療ができない)といったデメリットがあります。また、チタンは虫歯予防に使用されるフッ素により腐食します。

「セラミック」

銀歯

セラミックはガラス成分を含んだものと含まないものがあります。ガラス成分を含んだものはオールセラミックと呼ばれることが多いです。
また、ガラス成分を含まないセラミックをジルコニアと呼びます。
セラミックの特徴として金属やご自身の歯と比較しても汚れ(プラーク)がつかないことです。汚れがつかないということは2次的な虫歯や歯周病、また口臭のリスクを下げることが可能です。

オールセラミック・・・
エナメル質と似た硬さのため、噛み合う歯を傷つけることがありません。
ただ、強い力が加わった際に割れる可能性があります。

ジルコニア・・・
ガラスが含まれていないため透明度がなく、審美的にはオールセラミックより劣ります。
硬度が高いため、噛み合う歯を傷つけることがあります。

製作編

「銀歯」

銀歯は鋳造という方法で製作します。
この方法では詰め物やかぶせ物をワックス(蝋)で作り、そこに溶かした金属を流し込む方法です。これは昔ながらの製作方法ですが、純チタンは融点が高いため特殊な機械が必要になり、そこへの設備投資が必要になるため、製作を行っていない技工所が多数あります。

また、銀歯は色味を考える必要はありませんし、製作過程の各ステップを忠実に行えば、完成品の品質は技工士によって差はほとんど生じません。

「セラミック」

セラミックの製作方法は種類によっても異なりますが、最新の方法はCAD/CAMによるものです。これはコンピューター上で詰め物やかぶせ物をデザインし、それを専用の機械で削り出して製作する方法ですが、多額の設備投資が必要です。

そして、銀歯との大きな違いはセラミックが白いということです。歯の色は1本1本異なりますので、歯に調和した色にセラミックを仕上げることがとても難しく、技工士の腕の見せ所といったところです。

技術編

材料の特性や製作方法の違いから銀歯とセラミックでは歯の削り方が異なりますが、これはしっかりとトレーニングを行った歯科医師であれば問題になることは少ないでしょう。

セラミックの寿命を決定づけるのは装着時の手技です。セラミックだから長持ちするのではなく、セラミックを正しく接着させると長持ちするのです。
接着とは歯とセラミックを化学的に一体化させていくことですが、セラミックを接着させるための工程数が多いため、歯科医師の技量の差が生じやすいと言われています。
とはいっても、方法は確立されているので、基本に忠実に行えば問題はないでしょう。

銀歯のリスクについて
詳しくはこちら

セラミックを薦める
歯医者は儲け主義?

セラミックを薦める歯医者は儲け主義?

1本の歯は何回治療できると思いますか?
平均的には5〜6回と言われています。
①小さな詰め物→②大きな詰め物→③神経とってかぶせ物→④神経の治療をやり直して2回目のかぶせ物→⑤根が割れて抜歯
再治療の際には少しずつ歯を削ることになりますので、治療を重ねるほど抜歯に近づきます。では、一生自分の歯で過ごすためにはどうしたらいいでしょうか?それは1回治療したものが長持ちすることです。銀歯は平均5年しか保たないと言われています。

5回の治療で抜歯になると単純に考えると、初めて治療をしてから5年×5回=25年で抜歯です。
二十歳で最初の治療が必要になったら、50歳手前でその歯は抜歯です。

では、長持ちする詰め物・かぶせ物は銀歯なのかセラミックなのか、ということになります。素材としての差もありますが、技工士の手間暇の掛け方が違うことも知ってください。
安価な保険診療では製作費(技工料)も安価ですから、技工士は短時間に何本もの銀歯を作らなければ儲けが出ません。
自費診療のセラミックであれば、技工士も時間をかけて丁寧に製作することが可能です。どちらの製作物の質が良くなるかは考えるまでもありません。
そして、当然のことながら、腕のある技工士ほど技工料は高額になります。

抜歯は最後の手段なので、可能な限り避けたいのです。そのためにも長持ちする詰め物・かぶせ物をオススメしたいというのが歯科医師としての本音です。
自分や自分の家族に治療が必要になったら何を装着するかと考えたら、やはり銀歯ではなく、セラミックを選択します。
確かに銀歯の治療よりもセラミックの方が儲かるのは事実です。
ただ、セラミックをオススメする理由は銀歯よりも長持ちするからなのです。

まとめ

まとめ

人生100年時代。健康に過ごすためには「食」が最も重要ではないでしょうか。「食べる」を可能にするのは歯です。まずは虫歯や歯周病にならないためにも定期検診を欠かさず歯を守っていきましょう。
虫歯になって治療が必要になった際は上記を参考にしてください。

詰め物について詳しくはこちら かぶせ物について詳しくはこちら

総合的な歯科検診の
ご相談・ご予約はこちらから

TOP
初めての方へ
当院の特徴
料金表
よくあるお悩み
ドクター紹介
診療案内
口臭
症例
アクセス
お問い合わせ
WEB予約

©️ 秋津駅前すぐの歯医者・秋津歯科・矯正歯科

・平日 8:30-17:00 ・初診最終受付16:00
・土  8:30-17:00 ・再診最終受付16:30
休診日:水・日・祝