CASE03
インプラント症例

インプラント症例

基本情報
60代男性
初診日:2016年10月20日
主訴:前歯がグラグラする
全身的既往歴:特記事項なし
歯科的既往歴:8年前にインプラントを含めた全顎治療を経験
歯の喪失理由:カリエス
 
所見
60代歳男性で、主訴は前歯がグラグラするとのことでした。 8年ほど前にインプラントを含めた全額治療をされ、今回主訴である前歯も当時に治療したものとのことでした。 スマイル写真より、口唇はさほど上がらないことがわかります。

初診時口腔内写真

初診時パノラマ

主訴の左上2番には根尖部に透過像は認められませんでした。左下4番は歯肉縁下に及ぶカリエスが確認できます。

上顎は右上5、3、1、左上1に、下顎は左下5、7にインプラントが埋入されおり、ブリッジにて補綴がされています。 左右の顎関節の形態が異なりますが、顎関節には特に症状はなく、開閉口運動もスムーズで、関節雑音も認められませんでした。

初診時検査結果

左上7番に深い歯周ポケットが認められます。 主訴である左上2番には中等度のポケットと動揺を認めました。 その他はBOPも低く、大きな問題点はありませんでした。

Treatment Plan

● #22抜歯、インプラントによる補綴
● #45/46/47 FPD(#47&#45支台)
● #34抜歯、#34/35/36/37 インプラントFPD(#35i&#36i 支台)
● #16抜歯、インプラントによる補綴

左上2番

左上2番ですが、歯肉縁下までカリエスが進行し、保存不可と判断しました。まず、インプラント埋入のタイミングについての検討をしました。 この分類では唇側の骨量に応じて抜歯即時埋入の是非とその手技が示されています。本ケースでは唇側に薄いながらも骨が残存しているため、class2と分類をしました。

よって、フラップレスでの抜歯即時埋入が可能ではありますが、結合組織の移植が術中もしくは術後に必要となりますが、本ケースでは結合組織の移植を埋入時に同時に行うこととしました。 また、残存している骨が薄く、抜歯時に唇側骨を失う可能性もあり、その場合はclass3となってしまいます。その場合はGBRとCTGを同時に行うことになることを説明し、患者より同意を得ました。

3次元的な埋入位置について

深度は将来の上部構造の歯頚線から2〜3mm下方にプラットフォームが位置するようにします。現在の歯肉ラインに変化がないよう、残存歯質を参考に計画をしました。

唇舌的方向ですが、インプラント体長軸が上部構造の切端を超えず、上構造物がスクリューリテインできるような方向としました。近遠心的位置ですが、基本的には補綴される歯の近遠心的中央が目標となりますが、インプラント-天然歯間は1.5mm、インプラント-インプラント間は3.0mm離すという原則に従います。

本ケースでは1番はインプラント、3番は天然歯であり、その間は8.5mmと狭いため、やや遠心に埋入することとしました。埋入するインプラントはN社の直径3.5mm、長さ11.5mmナローインプラントとしました。初期固定が十分に得られれば、埋入時にプロビジョナルまで装着する計画としました。

オペ時の写真

オペ時の写真になります。周囲骨を破壊しないよう、慎重に抜歯を行いました。かなり縁下までカリエスが進行していることがわかります。 サージカルガイドを使用し、3次元的位置関係を確認しながら、ドリリングならびに埋入を行いましたが、残念ながら、十分な初期固定は得られず、当初の計画を2回法へと変更しました。

結合組織採取

結合組織は右上7番部ならびに上顎結節より採取しました。

術後のデンタルCT

唇舌的な埋入方向についての評価

右の図は4Dコンセプトで示されているインプラント埋入状態の分類です。審美的な成功を収めるにはインプラントのプラットフォームの唇舌的な位置と唇側骨の骨幅が重要なファクターとなります。

左側のCT像が今回埋入したインプラントになります。テックの唇面が不透過像として確認ができます。これより、インプラントの唇舌的な位置は適切であり、また唇側骨も2mm以上の十分な厚みがあるものと判断し、class1へ分類しました。

ただし、インプラント長軸は切端に向いているため、division2としました。この程度であれば、上部構造物は角度補正を行うことで、スクリューリテインによる補綴が可能であると考えています。

術後4ヶ月のCT

術後4ヶ月でのCTです。問題がないことを確認し、二次オペをすることとしました。

術前とオペ後5ヶ月時の比較

  • 術前①

  • 術前②

  • オペ後5ヶ月①

  • オペ後5ヶ月②

プロビジョナルを装着してからの変化

  • 臨在歯との比較

  • 口唇はあまり上がらないため、ブラックトライアングルは見えません。形態として、臨在歯と比較して、短く、審美的に問題がありますが、右側方運動時の干渉を考え、このような長さとしました。

最終印象

最終補綴

装着後

2年後

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