CASE07
類すれ違い患者に
インプラントと
部分床義歯を併用した症例

インプラント・義歯(入れ歯)併用症例

基本情報
60代女性
初診日:2012年11月
主訴:歯が揺れる、入れ歯が合わない
全身的既往歴:高血圧
歯の喪失理由:カリエス

初診時口腔内写真

多くの歯が過去に治療をされていましたが、噛み合わせの高さが低くなり、上の前歯が前方へ倒れてしまっています。奥歯で噛み合う場所は右側の1箇所のみとなっていました。

初診時口腔内写真(義歯あり)

上顎には8年ほど前に作った金属床部分入れ歯が装着されていますが、装着してから前歯を失ったため、修理の跡が確認できました。右側の奥歯の人工歯は外れてしまっていたため、当院で修理をしました。

初診時検査とレントゲン写真

問題点

● 上下で噛み合う部位が少ない
● 噛み合わせの高さ(咬合高径)が低下
● 垂直的な歯並び(咬合平面)の乱れ
● 残せない歯がある(左上1・7番、右下6番)
● 上下とも部分入れ歯にしたくない

 

治療計画

● 咬合再構成(咬合高径と咬合平面の是正)
● 抜歯(左上7番、右下6番)、上顎部分入れ歯修理
● インプラント+GBR手術(左上6番、右下5・6番)
● 根管治療(右下4番、左下4・5・6番)
● 歯冠長延長術+遊離歯肉移植術(左下4・5・6番)
● 抜歯(左上1番)、上顎部分入れ歯修理
● 最終補綴製作
 メタルボンドクラウン(下顎)、連結前装冠(右上2・3番)、上顎金属床部分入れ歯

治療のリスク

咬合再構成
  • 顎関節に痛みが出ることがあります。
  • 発音しにくくなることがあります。
  • 全ての歯を同日に処置するため治療時間が長くなります。
  • 慣れるまで噛みにくさを感じることがあります。
インプラント+GBR手術
  • 術後は痛みや腫れを伴うことがあります。
  • インプラントが骨と結合しない場合は再手術が必要になります。
  • 治療期間が長くなります。
  • 術後感染が人工骨にまで波及すると術前以上に骨が失われることがあります。
  • インプラント周囲炎のリスクがあります。
  • 上部構造が破損したり、外れたりすることがあります。
  • アバットメントのネジが緩むことがあります。
根管治療
  • 術後に痛みや腫れを伴うことがあります。
  • 根の中を削るため、根が割れるリスクが上がります。
  • 再発する可能性があります。
歯冠長延長術
  • 左下6番では歯根の分岐部が露出する可能性があります。
  • 術後に痛みや腫れを伴うことがあります。
遊離歯肉移植術
  • 歯肉を採取するため手術箇所が2箇所になります。
  • 移植した歯肉が生着しないことがあります。
  • 歯肉を採取した場所に痛みを伴うことがあります。
  • 歯肉を採取した場所から術後に出血することがあります。
連結前装冠
  • 連結部の清掃が困難になります。
  • 部分入れ歯の支えとなるため、外れることがあります。
  • 神経のない歯のため、歯根が割れる可能性があります。
  • 金属の影響で経年的に歯ぐきが黒ずむことがあります。
  • プラスチック部が経年的に着色します。
メタルボンド
  • セラミック部分が欠けることがあります。
  • 金属の影響で経年的に歯ぐきが黒ずむことがあります。
金属床部分入れ歯
  • 天然歯とインプラントを支えにするため適合制度が悪くなることがあります。
  • 人工歯が外れることがあります。
  • 金属部分が折れることがあります。
  • 歯ぐきの形が変化し、修理が必要になることがあります。
  • インプラントに加わる力が過剰になると、インプラントが失われる可能性があります。

診断用ワックスアップ

下がってしまっている噛み合わせと垂直的にガタガタな歯並びを修正するための診査をしました。
適切と思われる高さで噛み合わせを記録し、器械(咬合器)に装着しました(写真上段)。
噛み合わせの記録材を外した状態です(写真中段)。右側の写真で上顎の前歯が前方に倒れてしまっていることがわかります。
ピンク色のワックスを石膏模型に盛り足して噛み合わせの診査をしました(写真下段)。
診査の結果、右側奥歯〜左側3番までは下顎に、左側4番〜6番までは上顎に材料を盛り足して噛み合わせを再構成することとしました。

咬合再構成

診断用ワックスアップで計画した通り、それぞれの歯と人工歯にコンポジットレジン(虫歯治療で使用することのあるプラスチック)を盛り足して噛み合わせの再構成しました。
この状態で顎関節や発音に問題がないことを確認し、次のステップへと治療を進ませました。

インプラント手術前

右下6番と左上7番の抜歯を行い、歯ぐきの治りを待ってからインプラント手術を行いました。
歯ぐきの治癒期間に右下4番と左下4〜6番を仮歯に変更し、根管治療を開始しました。
また、左上1番は今後抜歯になりますが、この時点では入れ歯の支えとして利用するために根だけの状態にしました。

歯冠長延長術+遊離歯肉移植術

左下3番と比較すると4番以降は歯が上顎方向に伸び上がっていました。
歯根周囲の骨を削り、上顎から採取した歯肉を頬側に縫い付け手術を終えました。

インプラント+GBR手術

右下は5番では骨の幅が狭く、6番では感染により骨が失われていたため、GBR法を併用しました。

インプラント手術後のレントゲン写真です。右下はGBR法を併用したため2回法を選択しました。
一方、左上は十分な骨が存在したため、1回法を選択しました。

最終補綴前

インプラントが骨と結合してから、仮歯を装着し、噛み合わせと歯ぐきの状態が安定したことを確認し、最終的なクラウンや部分入れ歯の製作を開始しました。

上顎金属床部分入れ歯

見た目に配慮し、前歯には金属が見えないような設計としました。

治療終了時(初診日より1年4ヶ月)

部分入れ歯未装着

左上のインプラントの上部構造物は部分入れ歯のクラスプがかかるため金属を用いました。
垂直的にガタガタだった歯並びが当初の計画通りに治すことができました。

部分入れ歯装着時

金属床部分入れ歯を装着した状態です。
前後、左右的にも安定した噛み合わせで治療を完了しました。

治療終了時パノラマ

上顎の残っている歯を守り、そして部分入れ歯の機能を向上させるため、本症例では左上のインプラントに上部構造物を装着して、噛み合わせを確保する方針で治療を行いました。
定期的にレントゲンを撮影し、インプラント周囲での骨の変化を観察し、変化が認められた場合には早期に対応していくことが重要です。

経過(装着より4年7ヶ月)

左下6番のメタルボンドのセラミックがかけてしまいました。インプラントと噛み合う歯のため過重負担によるものだと考えられました。
定期検診ごとに噛み合わせの確認は行っていたものの、確認が甘かったと反省しています。
また、咬合再構成の際に下顎前歯に盛り足したコンポジットレジンと歯の境目が目立つようになってきました。こちらはコンポジットレジンの形態修正と研磨で対応をしました。

治療の費用

・咬合再構成(仮歯代、入れ歯の修理代込み)¥108,000
・歯冠長延長術+遊離歯肉移植術 ¥108,000
・インプラント ¥432,000×3
・GBR ¥108,000×2
・ファイバーコア ¥16,200×4
・メタルボンド ¥129,600×4
・金属床部分入れ歯 ¥486,000
・根管治療、連結前装冠:保険診療

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